culture & history

ドネツク、ルガンスク両人民共和国の市民とザポリージャ、ケルソン両州の住民は、この選択をしたのだ。

2022年10月3日 月曜日 曇り(鬱陶しい低い雲のたちこめた空模様。湿気の多そうな午前;午後は爽やかな青空の秋の1日)

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ドネツクとルハンスク、ケルソンとザポリージャの人々:プーチン大統領演説 2022年9月30日

プーチン大統領演説 2022年9月30日 ロシア語全トランスクリプトの日本語訳

http://eritokyo.jp/independent/Ukraine-war-situation-aow1589.htm (青山氏の訳)

https://note.com/jano66/n/nf21f77ea5a36 (Janoさん訳)

https://sputniknews.jp/20221003/13182002.html (スプートニク日本語版でも日本語訳が読めます)

https://www.youtube.com/watch?v=ZP69jld8XAE&ab_channel=MichaelRossiPoliSci にてRossiさんの英語訳字幕付き動画

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2022年9月30日プーチン大統領演説全文:ロシア語トランスクリプトが公開された。
Полный текст обращения
Владимира Путина 30 сентября 2022:
Стенограмма выступления
Читайте на WWW.KP.RU:

kp.ru War in Ukraine – #1589 Sep 30 2022

Vladimir Putin’s Speech on the Incorporation of Donetsk, Lugansk, Kherson, and Zaporozhye – ENG Sub https://www.youtube.com/watch?v=ZP69jld8XAE&ab_channel=MichaelRossiPoliSci にて英語訳付きで視聴することができます。43分。Michael Rossi Poli Sci

Russian President Vladimir Putin addresses the Russian people on the accession of of theDonetsk People’s Republic, the Lugansk People’s Republic, the Zaporozhye Region and the Kherson Region to the Russian Federation, September 30, 2022

00:32 – Opening Remarks on the Referendums 09:23 – Russia as a defender against the existential threats of the West 20:19 – Comments on Western-led impositions of democracy and freedom 24:08 – Comments on the sabotage of Nordstream Pipeline 27:51 – Comments on the effects of sanctions in Europe 31:07 – Russia as a defender against Western-led culture wars 33:06 – The End of American Unipolarism 34:11 – Concluding comments and signing ceremony In Russian with English subtitles

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日本語訳も見ることができます:

ロシア語翻訳・青山貞一(東京都市大学名誉教授) 独立系メディア E-wave Tokyo 2022年10月1日 青山貞一・東京都市大学名誉教授の飜訳のアドレスです。http://eritokyo.jp/independent/Ukraine-war-situation-aow1589.htm

また、

https://note.com/jano66/n/nf21f77ea5a36 ではJanoさんによる日本語訳を読む事ができます。

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<以下引用・青山氏の訳より> http://eritokyo.jp/independent/Ukraine-war-situation-aow1589.htm

しかし、文化、信仰、伝統、言語によって自分たちをロシアの一部と考え、何世紀にもわたって一つの国家で暮らしてきた祖先を持つ何百万人もの人々の決意ほど強いものはない。この人たちの、本当の歴史的な故郷に帰ろうという決意ほど強いものはない。

<以下引用>

 ソ連が崩壊した後、西側諸国は、世界は、私たちは、永遠に自分たちの命令に我慢しなければならないと決めた。1991年当時、西側諸国はロシアがこの混乱から立ち直ることはできず、自力で崩壊すると考えていた。私たちは90年代を覚えている。飢えと寒さと絶望に満ちた、恐ろしい90年代を。しかし、ロシアは持ちこたえ、復活し、強化され、世界における正当な地位を取り戻した。

 同時に、西側諸国は、我々を攻撃し、彼らが常に夢見てきたようにロシアを弱体化させ崩壊させ、我々の国家を断片化し、我々の民族を互いに対立させ、貧困と絶滅に追いやるための新しいチャンスを探し続けてきたのである。世界にはこんなに大きな国があって、領土があって、天然資源があって、他人の命令では生きられない、生きられない人たちがいるということを、彼らはただ理解できないだけなのだ。

以下も引用:

 ロシアへの介入計画が何度も立てられ、17世紀初頭の曖昧な時代(補註参照)と、1917年以降の衝撃の時代の両方を利用しようとしたことが知られているが、それは失敗している。

 結局、西側諸国は国家が滅んだ20世紀末にロシアの富を手に入れることに成功したのだ。当時は友人やパートナーと呼ばれていたが、実際は植民地として扱われ、さまざまなスキームで何兆円ものお金が吸い上げられた。私たちは皆、何もかも覚えていて、何も忘れてはいない。

Great Famine of 1601, a 19th-century engraving。Great Famine in Moscow in 1601。

補註: 17世紀初頭の曖昧な時代のロシアへの介入・・というのはボリス・ゴドゥノフ亡き後の、偽ドミートリーやジギスムント三世によるポーランド(リトアニアとの連合王国)のロシア・モスクワへの侵攻のことを指している。

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<以下引用>

人々は印刷されたドルやユーロで養うことはできない。その紙切れでは彼らを養うことはできないし、欧米のソーシャルネットワークのバーチャルな膨張した資本では、彼らの家を暖めることはできないのだ。

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補註: 日本についても少し言及されています:http://eritokyo.jp/independent/Ukraine-war-situation-aow1589.htm

<以下引用>

「アメリカは世界で唯一、核兵器を2回使用し、日本の広島と長崎を壊滅させた国である。ちなみに、前例がある。

 第二次世界大戦中、アメリカはイギリスとともに、ドレスデン、ハンブルク、ケルン、その他多くのドイツの都市を、軍事的必要性もないのに廃墟にしたことを思い出してほしい。そしてそれは、軍事的な必要性もなく、実証的に行われたのだ。目的はただ一つ、日本への原爆投下と同じように、自国と世界を威嚇することであった。

 米国は、野蛮な「絨毯爆撃」、ナパームや化学兵器によって、韓国とベトナムの人々の記憶にひどい傷跡を残した。

 今日に至るまで、ドイツ、日本、大韓民国などを占領し、対等な同盟国だと皮肉っている。聞け!どんな同盟なんだろう。これらの国の指導者がスパイされ、国家元首がオフィスだけでなく自宅まで盗聴されていることは全世界が知っている。本当に残念なことだ。(以上、上記のサイトより引用)

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補註: 欧米流の過剰ポリコレ・LGBTQなどに関する行き過ぎたポリコレに対する対決姿勢も明確に述べられています。<以下引用>

私たちは本当に、パパとママの代わりに「ナンバー1」「ナンバー2」「ナンバー3」の親を持ちたいだろうか?私たちは、小学校の授業で子どもたちに、劣化や絶滅につながる倒錯を作り出すような教育を始めてほしいのだろうか。

 女性と男性の他に、ある種の性別があることを教え、性転換手術を受けさせたいのだろうか。これが私たちの国や子どもたちのために望むことなのだろうか。このようなことは、私たちには受け入れられない。私たちには、自分たちの別の未来があるのだ。

 繰り返すが、西側エリートの独裁は、西側諸国の国民を含むすべての社会に向けられている。みんなへの挑戦状だ。このような人間の完全否定、信仰と伝統的価値の破壊、自由の抑圧は、「宗教を逆手に取った」、つまり完全な悪魔崇拝の特徴を帯びているのだ。<以上、引用終わり>

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補註: ロシア・ナショナリスト=愛国者プーチン大統領の面目躍如たる演説の締めくくり部分を引用 <以下引用>

 私は、各国や各民族が、誰かの例外主義や他の文化や民族の抑圧に基づいた政策は本質的に犯罪であり、この恥ずべきページを変えなければならないことを理解していると確信している。

 始まった西洋覇権の崩壊は不可逆的である。そして、繰り返しになるが、これまでと同じようにはいきません。

 運命と歴史が我々を呼んだ戦場は、我々の民族、偉大なる歴史的ロシアのための戦場なのだ。(偉大な歴史的ロシアのために、未来の世代のために、私たちの子どもたち、孫たち、ひ孫たちのために) 私たちは彼らを奴隷化から、彼らの心と魂を不自由にしようとする怪しげな実験から守らなければならない。

 私たちは、ロシアが、私たちの民族が、私たちの言語が、私たちの文化が、歴史から消されることがないように、今日も戦っている。今日、私たちは社会全体の統合を必要としており、その統合は主権、自由、創造、正義に基づくものでなければならない。私たちの価値観は、人間性、慈悲、思いやりである。

 そして、真の愛国者イワン・アレクサンドロヴィッチ・イリインの言葉で締めくくりたい。「もし私が祖国をロシアと考えるなら、それは私がロシアを愛し、考え、思考し、ロシア語で歌い、話すということであり、ロシア人の精神的強さを信じるということである。その精神は私の精神、その運命は私の運命、その苦しみは私の悲しみ、その栄華は私の喜び」。

 この言葉の背景には、1000年以上にわたるロシア国家の歴史の中で、私たちの祖先が何世代にもわたって守ってきた、大きな精神的選択がある。今日、私たちドネツク、ルガンスク両人民共和国の市民とザポリージャ、ケルソン両州の住民は、この選択をしたのだ。彼らは、国民とともに、祖国とともに、その運命を生き、祖国とともに勝利することを選択したのだ。

 「真実は我々の背後にある!ロシアは我々の背後にある!」。

<以上、引用終わり>

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補註: 私たちはまず初めに「国」単位で物事を考えよう。

国の歴史と文化を守りながら、国民の幸福につながるような形でグローバリズムの流れもゆっくりと上手に取り入れ造り変えていくことが大切である。その私たちの日本のためにも、プーチン大統領の説くロシアと世界の歴史理解に関して、私たち日本人も識り、その歴史的文化的背景を十分に理解していく必要がある。なぜなら、ナショナリズム(国民主義と訳そう)の一方の旗手としてプーチンのロシアがあるなら、もう一方の旗手として私たちの日本が世界の先導役・お手本になることが期待されているし、それができるし、またそれを目指して生きたいからである。

補註: お分かりのようにすべての国のすべての国民にとって共通の世界史叙述というものはあり得ない。プーチン大統領のロシアの歴史そして現在の理解と語り口は、ロシアの大統領として、主にロシアの人々に語られる「ロシアの歴史と現在」である。耳を傾けること、誠意を持って理解することは大切である。しかし、私たち日本人は、日本人として歴史をとらえてゆきたい。ロシアをも含む世界の歴史、そしてその中の日本の歴史と現在を、日本人として理解し語ることにしようではないか。

・・もし私が祖国を日本と考えるなら、それは私が日本を愛し、考え、思考し、日本語で歌い、話すということであり、日本人の精神的強さを信じるということである。その精神は私の精神、その運命は私の運命、その苦しみは私の悲しみ、その栄華は私の喜び。 ・・この言葉の背景には、2000年以上にわたる日本国家の歴史の中で、私たちの祖先が何世代にもわたって守ってきた、大きな精神的選択がある。・・私たちは、国民とともに、祖国とともに、その運命を生き、祖国とともに勝利することを選択したのだ。

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1700年代ノボロシアでは、ルミャンツェフ、スヴォロフ、ウシャコフが戦い、エカチェリーナ2世とポチョムキンが新たな都市を築きました。我々の祖父や曽祖父はその後、大祖国戦争であの苦い経験をしました。(Janoさんの飜訳より)

補註: エカチェリーナ2世の時代の露土戦争に関して、オスマン帝国側からはオスマン帝国の歴史として語ってよいのだ、もちろん。

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しかし、文化、宗教、伝統、言語からロシアの一部だと感じる人々が、歴史的母国へ帰りたいと願う気持ち、それ以上強力なものはありません。

8年と言う長い間、ドンバスの人々は虐殺に晒されました。閉じ込められて砲弾を浴び続けたのです。ヘルソンとザポロージャでは、ロシアのすべてに対する憎しみを増強するための刑法が施行され、それは今でも続いています。住民投票の間ですらウクライナ政権は学校の先生や、投票管理で働く女性を報復として殺すと脅されました。人々が投票と言う形で気持ちを表現する事をウクライナ政権は脅かしたのです。しかしドンバスとザポロージャ、ヘルソンの人たちは屈することなく声を上げました。(Janoさんの飜訳より)

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補註: イワン・イリインについて ウィキペディアによると・・・<以下引用>https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%AF%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%A4%E3%83%AA%E3%82%A4%E3%83%B3

初め、イリインは、1917年に勃発した2月革命に人民の解放と認識していた。他の知識人同様、彼はこの革命を好意的にとらえていたのである。しかしながら、十月革命によってボリシェビキ政権が確立すると、彼の革命に対する期待は失望へと変わった。第二次モスクワ公人会議において、イリインは「革命は、国家による利己的な略奪へと変貌した」と語っている。

その後、イリインはロシア革命をロシア史上もっとも恐ろしい大惨事であり、国家全体の崩壊と評するようになった。しかしながら、旧体制の支持者たちとは異なり、すぐにロシア国外へと亡命することはなかった。1918年、イリインはモスクワ大学の法学教授になり、前述の通り、ヘーゲルに関する学術論文も出版されている。1918年4月以降、イリインは反共産主義的活動の疑いによって何度か投獄された。恩師であるノブゴロージェフも一時投獄されている。1922年、イリインは、160人の著名な知識人らとともに「哲学者の船英語版)」によって国外追放されることとなった。

イリインと彼の哲学は、アレクサンドル・ソルジェニーツィンアレクサンドル・ドゥーギンといった20世紀ロシアの作家たちや、ロシア民族主義者に思想的影響を与えた。2005年現在、ロシア国内で出版されたイリインの著作は23巻にのぼっている。イリインはプーチン大統領に引用されており、プーチンにとって思想的なバックボーンとなったとする見方もある。とのこと(<以上、ウィキペディアより部分引用終わり> https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%AF%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%A4%E3%83%AA%E3%82%A4%E3%83%B3

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https://note.com/jano66/n/nf21f77ea5a36 ではJanoさんによる日本語訳を読む事ができます。青山氏の飜訳で分かりにくいところは、rossiさんの英訳字幕付き動画ないしJanoさんによる日本語全訳もご覧ください。

誰が世界を戦争へ向かわせ、危機から血ぬられた利益を出しているのか。(Janoさんによる日本語全訳より)

一部の国では支配エリートが進んでこれに取り組み、喜んで家来になります。さもなくば、買収または脅迫です。
そして買収と脅迫の効果が無かった場合、徹底的に国全体を破壊します。後に残るのは人道的危機、荒廃、廃墟、何百万人もの人の死、乱発するテロリズム、社会的災害、植民地、セミ植民地、彼らは気にしません。
彼らが気にするのは利益だけです。

整理しましょう。現在西側諸国がロシアに対して繰り広げているハイブリッド戦争の本当の原因は、彼らが意のままに世界を操りたいと言う願望です。それが彼らを駆り立てているのです。
彼らはロシアを自由にはしたくない。
植民地にしたい。
対等な協力なんかしたくない。
略奪だけしたい。
ロシアの中に自由な社会を見たくない。
見たいのは大量のゾンビのような奴隷だけ。(Janoさんによる日本語全訳より)

実は、ドイツと日本の占領は終わっていません。韓国や他の国々も。おかしい事に彼らは占領している国々を”平等な仲間”と呼びます。
どんな同盟なんでしょうか?
世界はみな知っています。占領されている国々の高官は、事務所や自宅をスパイされ盗聴されている。
とても切なく悲しい事です。
奴隷のような扱いを受け、彼らの傲慢な行動について口にすることはできず、静かに飲み込むのです。(Janoさんによる日本語全訳より)

ところで、アングロサクソンたちは制裁だけでは足りないと思い、信じられない事を思いつきました。ありえないけれど実際に、バルト海の海底にある国際的ガスパイプラインであるノルドストリームを爆発させたのです。ヨーロッパすべてのエネルギーインフラの破壊に乗り出しました。
誰がやったのかは、誰が一番儲けたかを見れば容易に推測できます。

アメリカの独裁は、雑な軍隊の”ぶん殴りの法則”により保たれています。
時として完全に隠されていますが、全く隠す事もなく堂々と行われる場合も要点は同じ”ぶん殴りの法則”です。世界の隅々まで何百もの軍事基地を保有し兵を配備しており、NATOを拡大、AUKUS(豪・英・米)や、米・韓・日の軍事チェーンも展開、もし独自の主権を主張しようものなら即座に覇権国から敵国認定を喰らいます。(Janoさんによる日本語全訳より)

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こんなに尊い歴史と文化を持つ国があって、豊かな国土があって、美しい自然に恵まれて、他人の命令では生きられない人たちがいるということを、彼らはただ理解できないだけなのだ。

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