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もしも不死や神がないと信じたのであれば、この青年はやはりすぐに無神論者や社会主義者たちの群れに加わったろう。

2023年1月20日 金曜日 曇り

ドストエフスキー 亀山郁夫訳 カラマーゾフの兄弟1 光文社古典新訳文庫 2006年(原作は1879-1880年)

 ・・アリョーシャは、ほかの者たちと逆の道を選択しただけで、すぐにでも偉業を成しとげたいという熱い思いに変わりはなかった。真剣に考えたすえ、不死や神が存在するという信念に心から打たれると、すぐ彼はごく自然に、こう自分に言い聞かせたーー「ぼくは不死のために生きたい。中途半端な妥協はごめんだ」。

 これとまったく同じに、もしも不死や神がないと信じたのであれば、この青年はやはりすぐに無神論者や社会主義者たちの群れに加わったろう(社会主義というのはたんなる労働問題、ないしはいわゆる「第四階級」の問題ではなく、もっぱら無神論上の問題、すなわち無神論の現代的解釈の問題であり、また地上から天に到達するためではなく、天を地上に引きずりおろすために、まさしく紙なしで建設されたバベルの塔の問題なのだ)。(ドストエフスキー、同訳書1、p66)

ダヴィッド『球戯場の誓い』。バイイ、ロベスピエールらの姿が見える(カルナヴァレ博物館蔵)

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