literature & arts

大切なのは、耐えることができるかどうかなの。十字架を背負って歩みながら、自分のやっていることを信じきれるかどうかなの。

2024年8月18日 日曜日 晴れ

チェーホフ かもめ 浦雅春訳 岩波文庫 2010年(オリジナルは1896年ペテルブルクで初演)

ニーナ: ・・舞台に立とうが物を書こうが同じこと、私たちの仕事で大切なのは、名声だとか栄光だとか私が夢みていたものではなく、耐えることができるかどうかなの。十字架を背負って歩みながら、自分のやっていることを信じきれるかどうかなの。私は信じてるわ、だからもうそんなに苦しくないし、果たすべき自分の使命を考えると、生きていくことだって怖くはないわ。

トレープレフ: (打ち沈んで)君は自分の道を見つけて、自分がどこに向かっているのかが分かっている。ところが、ぼくときたら、相も変わらず混沌とした夢とイメージの世界を右往左往するばかりで、なんのために誰のためにこんなことをしているのか、それが分からないでいるんだ。ぼくには信じられるものがないし、何がぼくの使命であるかもわからない。(チェーホフ、同訳書、p145-146)

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