biology

Darwin’s Black Box (2)

2015年2月5日 木曜日 追記

べーへ本の前でしばし立ち止まるドーキンス: べーへ批判の続き

マイケル・J・ベーへ ダーウィンのブラックボックス 長野敬・野村尚子訳 青土社 訳本は1998年。 Michael J. Behe Darwin’s Black Box: THe Biochemical Challenge to Evolution, The Free Press, 1996. 

Dawkins, R. God Delusion, Black Swan 2006. pp156-161

‘Irreducible complexity’ is not a new idea, but the phrase itself was invented by the creationist Michael Behe in 1996. (Dawkins, ibid., p156)

Without a word of justification, explanation or amplification, Behe simply proclaims the bacterial flagellar motor to be irreducibly complex. Since he offers no argument in favour of his assertion, we may begin by suspecting a failure of his imagination. (Dawkins, ibid., p157)

想像力の欠如とも言えるし、thoughtlessness 考えのなさ・「思考停止」とも言ってよいと思う。ドーキンス本では、以下、べーへが取り上げた bacterial flagellar motor に関して、分子進化からみた生化学的研究成果の記載がなされる。これらの証拠によってべーへの「思考停止」が糾弾される。’Irreducible complexity’ と称してべーへがそこで止まってしまう障害物に対しても、地道な科学者たちは少しずつ解きほぐすことで全体を解明しつつある。

複雑な自然の仕組みも科学的に解明されることによって、「不思議」ではなくなる。けれども、理解された自然の仕組みを、ますます美しく感動をもって見つめることができるようになる。ドーキンス氏がいつも述べているように、「虹の解体」によっても、虹が陳腐な平凡に堕することはない。それどころか自然が、そして虹が、私たちにはますます愛しく美しく感じられるのだ。

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