literature & arts

新しいワインを飲もう、新しい、大いなる喜びの酒だ。

2023年1月25日 水曜日 雪(吹雪)のち晴れ


ドストエフスキー 亀山郁夫訳 カラマーゾフの兄弟3 光文社古典新訳文庫 2006年(原作は1879-1880年)

ガリラヤのカナの婚礼

 ・・『どうしてこんなところに隠れている。おまえが見えないではないか。・・おまえもいっしょにあっちへ行こう』

 『楽しもう』痩せた老人はつづけた。『新しいワインを飲もう、新しい、大いなる喜びの酒だ。・・ほら、あそこに花婿と花嫁がいるぞ。あれがじつに賢い料理頭で、新しいワインを味見している。・・葱を一本あげたろう、だからわたしもここにいるんだよ。ここにいるたくさんの人たちも、葱を一本ずつあげただけなんだ。ほんとうに小さな葱を一本ずつな・・わたしたちの仕事はどんな具合だろう? もの静かなおまえも、おとなしい少年のおまえも、今日、葱をあげることができたではないか、それを求めている女に!・・ほら、わたしたちの太陽が見えるかね、おまえにはあれが見えるかね?』 (ドストエフスキー、同訳書、p104-105)

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どうしてみんな貧しいのか、どうして餓鬼ん子は哀れなのか、どうして草原は空っぽなのか、どうして女たちは抱き合って口づけしないのか、どうして喜びの歌を歌わないのか、どうしてああして黒い不幸でああも黒くなっちまったのか、どうして餓鬼ん子に乳を飲ませてやれないのか?

2023年1月30日
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