culture & history

祖霊や地霊の保護のもとに行われる古代の生活

白川静 中国古代の民俗 講談社学術文庫484 1980年

2015年11月25日 水曜日 雪のち晴れ

往来について

人びとの生活は、その居住の地と深く結びついており、その祖霊や地霊の保護のもとに、行われている。したがってその地を離れることは、その保護霊のもとを離れることであり、その場合には、あらゆる方法でその危険を免れることが必要であった。「万葉」の羈旅歌・叙景歌といわれるものの起源も、すべてそのような観念にもとづいており、ことだまによってそれを回避しようとするものであった。(白川、同書、p184)

訪問者が親しくその土を践み、その地霊に接することが、地霊に対するもっとも虔ましい表敬であり、効果ある慰撫の方法であったのであろう。それでわが国では、・・・(中略)・・・地を踏む舞踏的な所作が行われるのである。(同書、p186)

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