culture & history

生という字は種子萌芽や草木繁茂の象り

白川静 中国古代の民俗 講談社学術文庫484 1980年

2015年11月25日 水曜日 雪のち晴れ

生という字は種子萌芽や草木の繁茂を象り、生々不尽の意をもつ:

人間のありかたは、それぞれの生活手段のなかで方向づけられる。そして文字が生まれた時代の人間の生き方は、その文字構造のうちに、多くの証跡を残しているのである。
 人間のありかたは、その出生にはじまる。生とは何であろうか。字形からいえば、「説文」に、「草木の生じて、土上に出づるに象る」というように、象形である。・・・(中略)・・・生まれるということは、まず氏族のひととして、同姓のものとして生まれるということである。
 生が草木の繁茂の象、また生々不尽の意をもつ字であることは、当時の人びとの主要な生産の形態が、すでに農耕的なものであったことを示唆するものであろう。生の字形のうちには、種子から萌芽のあらわれる状態をさしているものがある。(白川、同書、p180−181)

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