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古生代の生物

2016年11月7日 月曜日 曇り 地上は雪景色(昨日の積雪 15から20cm ほど)のち(お昼ごろには)晴れて陽射しが暖かい(ただし暖房の効いた部屋の窓辺で)

技術評論社の「古生物ミステリーシリーズ」第1巻から第4巻

1 土屋健・著 群馬県自然史博物館・監修 エディアカラ紀・カンブリア紀の生物 技術評論社 2013年

2 土屋健・著 群馬県自然史博物館・監修 オルドビス紀・シルル紀の生物 技術評論社 2013年

3 同 デボン紀の生物 技術評論社 2014年

4 同 石炭紀・ペルム紀の生物 技術評論社 2014年

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近年の研究では、次々とカンブリア紀生物と現在の生物の類縁関係が明らかにされつつある。・・カンブリア紀の奇妙な生物たちの多くは、現生動物となんらかの形でつながっているとされているのである。(土屋、エディアカラ紀・カンブリア紀の生物、p163、p172)

触手や脚などの「複雑な器官」の誕生にともなう活発な行動様式の発達、一部の生物の硬質化(硬組織の発達)がカンブリア紀に起きていたことは、2013年の現時点では、どうにも確からしい。 「分子時計」という現代分子生物学による解析結果は、カンブリア紀における爆発的多様化を捉えていない。つまり、遺伝子レベルでの生物の爆発的多様化は、さらに数億年遡る。・・パーカー(眼の誕生、原著は2003年)によれば、カンブリア爆発というものは、その(カンブリア紀以前に生まれていた)内部体制の多様化に合わせるように、動物が外部形態をいっせいに進化させたイベントであるという。(土屋、エディアカラ紀・カンブリア紀の生物、p172)

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両生類「橋頭堡」を築く
デボン紀末期の地層からアカントステガ(最初の四足動物)やイクチオステガ(最初の陸上四足動物)の化石(土屋、石炭紀・ペレム紀の生物、p27)
ペデルペス: 石炭紀初期(約3億5000万年前)の地層から発見された。後ろ足の指が前を向いていることが特徴。最初の「陸上歩行動物」である。(土屋、同書、p28)
ペデルペス以降、多くの両生類が出現し、石炭紀の陸上世界に確固たる地位を築いていった。(同、p28)

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「シダ種子植物」は、「シダ」の名はもつものの、シダ植物ではなく裸子植物の仲間である。デボン紀後期に登場し、シダのような葉をもっている。現在の裸子植物の祖先に位置づけられるグループだ。(土屋、石炭紀・ペルム紀の生物、p47)

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大森林、できる: 石炭紀という時代
 約3億5900万年前に始まり、約2億9900万年前まで続いた石炭紀は、地球レベルで見たときにいくつもの大きな変化が起きた時代である。 変化の始まりは、「大陸集合の本格化」だ。赤道付近にあったローレンシア大陸とシベリア大陸は合体し、そしてゴンドワナ超大陸がゆっくりと時計回りに回転していく。石炭紀が終わるころには、これらの大陸は合体して、超大陸パンゲアをつくることになる。 大陸と大陸が衝突すると、その衝突の力が大地をたわませ、巨大な山脈を生み出すことになる。 山脈が発達すると、そこに端を発して河川が発達する。空気の流れが山脈にぶつかって、雨を降らせるようになるからだ。・・雨は山を削って土砂を運ぶ川となり、やがて下流域には広範囲に氾濫原が発達した。植物にとって理想的ともいえる、高湿度の環境ができあがったのである。 当然、植物はこの変化を見逃さない。まずシダ植物が、やがて裸子植物が、各地に大森林を形成していく。(土屋、石炭紀・ペルム紀の生物、p54-55)

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昆虫天国: 昆虫類、繁栄を開始する
石炭紀に築かれた大森林にいち早く適応し、確固たる地位を築いた動物が昆虫たちだった。 化石記録によれば、出現がデボン紀までに確認されている昆虫はトビムシ類(資料によっては、イシノミ類、シミ類)などの一部の原始的なグループに限られていた。それが石炭紀になって、新たに10以上のグループが出現したのである。 昆虫類の繁栄の背景には、二つの革新があったとされている。一つは「翅の獲得」、もう一つは「完全変態の獲得」である。・・二つの革新のうち、「翅の獲得」がなしとげられたのが石炭紀である。この時代、空には翼竜も鳥もコウモリもいない。生命史上、最初に空に進出した昆虫たちは、そのアドバンテージを身をもって感じていたはずだ。なにせ、空に逃げさえすれば、天敵は不在なのだから。(土屋、同、p68)

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石炭紀以後の昆虫の歴史

ペルム紀: 完全変態の獲得。のちに昆虫最大のグループとなる「甲虫類」たちが出現。・・ペルム紀に出現した昆虫グループは、甲虫類のほかにもハチ類やハエ類など、現在まで命脈を保っているものが多い。

中生代白亜紀(約1億4500万年前から約6600万年前)の被子植物の出現と繁栄である。つまり、花の登場だ。昆虫は、このときから花(被子植物)とともに共進化を開始する。

中生代も終わりが近づいたころ、最新型の昆虫が出現する。それがノミ類である。ノミ類は、哺乳類の体毛に隠れながら吸血することに特化した昆虫で、翅や複眼は退化してなくなっている。(土屋、同書、p72-73)

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補註 2016年11月9日 本日、ペルム紀の終わりまで、4冊を読了。化石の写真だけでは(私の想像力を持ってしては)分かりにくいところだが、綺麗なイラストによる復原図が理解を助けてくれる。

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恐竜は直立2足歩行に特化した動物

2016年11月4日 金曜日 曇り

川崎悟司(イラスト・文) ハルキゲニたんの古生物学入門 中生代編 築地書館 2016年4月30日初版発行

三畳紀 2億5217万年前から2億130万年前 爬虫類の時代

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三畳紀:恐竜登場
恐竜は直立2足歩行に特化した動物なんだけど、
次の時代のジュラ紀は、恐竜の巨大化がよく見られた時代だから、レッセムサウルスのように2足から4足に移行するパターンが多いんだけど、
あくまで体を支えるメインは後ろ足2本ってことには変わりないよ。(川崎、同書、p17)

三畳紀:単弓類
ディキノドン類
  リストロサウルス(ペルム紀後期から三畳紀前期)
  エレファントサウルス(三畳紀後期)
キノドン類
  トリナクソドン(三畳紀前期)などのキノドン類の肋骨の消失 
     腹式呼吸ができるようになって呼吸効率が高まった。
  キノドン類から哺乳類があらわれた。
     アデロバシレウス 三畳紀後期 2億2500万年前(最古の哺乳類)(同書、p20-22)

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三畳紀末の生物大量絶滅 2億0130万年前
  この大量絶滅を契機に
  かろうじて生き残った恐竜の時代がやってくる(同書、p24)

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ジュラ紀 2億130万年前から1億4500万年前 巨大恐竜の時代

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白亜紀 1億4500万年前から6600万年前 陸は恐竜、海は海生爬虫類が支配する時代

白亜紀は大陸の分裂がすすんで、かなり複雑な地形になったわけで、
散り散りになった陸地でそれぞれ動物たちが独自に進化。多様な恐竜の時代(同書、p64-65)

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白亜紀末の生物大量絶滅
6600万年前に堆積した「K-T境界」っていう地層が世界各地にあって、
そこから妙に大量のイリジウムっていう金属がでてくる。(同書、p76)
「チュチュルブ・クレーター」:直径180km、ユカタン半島の地下深くに埋もれていた。

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石炭紀に羊膜類が現れ、単弓類と双弓類に分かれる

2016年11月1日 火曜日 曇り

川崎悟司(イラスト・文) ハルキゲニたんの古生物学入門 古生代編 築地書館 2016年4月30日初版発行

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補注 これもまた面白い本である。イラストとわかりやすい文で構成されている、学術イラスト図鑑本である。今回は古生代編だけを購入して通読したが、続編も買って読まねばなるまい。 古生代の地球と生き物の姿を概観するのに役立つ、入門書。 日本に優秀なイラストレーターがいて、日本語で楽しみながら読めるのは嬉しく誇らしいことだ。これらの蓄積が未来への文化資産にもなっていくことだろう。 中高生から大学生、社会人、そして退職大学教授に至るまで、地球と生き物に興味がある多くの人にお奨めしたい。

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石炭紀
そこで両生類の仲間から
あらわれたのが羊膜類!

羊膜類が産む卵は、
卵のなかにある胚を羊膜と殻で包み、乾燥とかから守るようになっていて、
胚を陸という環境から守るシェルターカプセルみたいなもんなんだね。
・・・(中略)・・・
この時代(石炭紀)にはじめて、陸でも繁殖可能で、
一生涯を陸地で過ごした爬虫類と単弓類があらわれたんだよね。
(川崎、同書、p66)

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単弓類ってなに?
・・この羊膜類は、おもに大きな2つのグループに分かれていくのですが、
それが単弓類と双弓類です。
・・頭骨の両側の眼窩の後ろに、口を閉じたり開いたりする顎の筋肉が収まる側頭窓と呼ばれる大きな穴が開いていまして、
これが「弓」を指しているのでありますが、
この穴が、単弓類では両側にそれぞれ1つ、双弓類では2つあるのですね。

この単弓類の特徴を示す現在の動物と言えば、哺乳類になるのですよ。
そして、双弓類は爬虫類と鳥類にあたるのです。

そうそう、ちょっと前までは教科書に「哺乳類は爬虫類から進化した」という説明があったようなのですが、2012年度用教科書からはそのような記述はしなくなりましたね。今や、哺乳類と爬虫類はそれぞれで進化してきた別物、という見方が主流になっているようです。(川崎、同書、p72-73)

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CHONSの化学:電子対の流れと軌道の符号

2016年11月1日 火曜日 曇り

秋葉欣哉 なっとくする有機化学 講談社 2003年

硫黄(S)を、リン、硫黄、金属元素の代表とすれば、CHONSの科学が動植物を扱う学問といえる。したがって、動植物の生命力によってつくられる物質である有機物(organic substance)を扱う化学が有機化学であると、長い間考えられてきた。これを化学の立場、すなわち原子、分子を基盤として扱うのが、CHONSの化学である。(秋葉、同書、p15)・・したがって21世紀では、「有機化学はCHONSの化学である」と言い換えるべきである。(同、p17)

「電子対の流れ」と「軌道の符号」でなっとくしよう!
・・電子対の流れに注目すれば、有機反応の基本が理解されるはずである。それに各化合物の形をふくめた立体的な要素を加味すれば、さらに生き生きしたイメージになるだろう。
・・結合は2つの原子の軌道が重なってできており、各原子の軌道には符号(+,ー)があると、量子力学が言っている。この「軌道の符号」によって反応が支配されることがある。
ーーーすなわち、「電子対の流れ」と「軌道の符号」に注意すれば、有機反応が生き生きしたイメージになるのだ。(秋葉、同書、p19より抄)

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1s軌道
1sのsはsharpのs。量子力学的にいうと、1s軌道にいる電子の電子密度をグラフ化したものは1s軌道の中心付近でsharpな形になる。(p23の脚注)

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パウリの排他原理
排他とはようするに、電子同士は、スピンまで考えると、同じ状態を取ることはできないということ。(p24)

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炭素原子
2個の電子の2p軌道への入り方は、
(i)   1個の軌道にスピンを逆にして入る
(ii)   別々の軌道にスピンを逆にして入る
(iii)  別々の軌道にスピンを平行にして入る
の3通りがある。このうち、別々の軌道にスピンを同じ向きにして入る配置である(iii)が最もエネルギーが低く、安定である。これをフントの規則という。・・この2s軌道と3つの2p軌道に入った電子が、有機化学のさまざまな反応の根幹となっている。(p25)

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軌道を占有する電子の数の分布状態を原子の電子配置 (electronic configuration) という。(p26)

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s軌道とp軌道に電子が2個ずつ入り、価電子が8個になると安定な電子配置となる。これをルイスのオクテット則という。(p27)

s軌道とp軌道の形と符号
軌道というのは電子の存在する確率の高いところを線で描いたものであり、符号は電子の波動関数の符合である。(p28)

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鏡像体
・・このように鏡に写した像(鏡像体)が重なり合わない場合、それらを鏡像異性体(enantiomer:エナンチオマー)といい、この現象を鏡像異性(enantiomerism)という。enantios はギリシャ語で、反対(opposite)を意味する。 鏡像異性体として存在する分子をキラルな分子(chiral molecule)、その中心の炭素をキラルな炭素(chiral carbon)あるいは不斉炭素(asymmetric carbon)という。キラルもギリシャ語の手(cheir)から派生している。なぜなら、右手と左手は鏡に写した像になっており、重ね合わすことができないからである。(p42)・・差があるのはただ一点、平面偏光を右に回すか左に回すかということである。これを旋光性という。(p42)・・鏡像異性体は光に対する性質についてだけその差を現すので、光学異性体(optical isomer)とか光学活性(optically active)とかいうこともある。(p43)

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鏡像体の関係にない異性体をジアステレオマー(diastereomer)という。・・ちなみにジアステレオマーは距離異性体と訳されることもあるが、普通はそのままジアステレオマーという。ジアはギリシャ語の距離(dia)に由来する。(p49)

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二重結合の立体化学
二重結合の各炭素に結合している2つの置換基に順位則に従って1,2と番号をつける。番号の高い置換基が二重結合の同じ側にあるものをZ(zusammmen)体、反対側にあるものをE体(entgegen)という。(p49-50)

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フザリウムはアナモルフの名称(テレオモルフは種によって異なる)

2016年10月27日 木曜日

細矢剛・出川洋介・勝本謙著/伊沢正名写真 『カビ図鑑』 全国農村教育協会、2010年

国立科学博物館編/細矢剛・責任編集 菌類のふしぎ 第2版 国立科学博物館叢書9 東海大学出版部 2014年

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フザリウムは不完全世代・アナモルフの名称(完全世代・テレオモルフは種によって異なる)

有性胞子と無性胞子で散布の形式や耐久性が異なる場合もある。たとえば、イネのばか苗病として知られる子嚢菌ジベレラ・フジクロイ(Gibberella fujikuroi)にはフサリウム・モニリフォルメ(Fusarium moniliforme)というアナモルフがある。ジベレラの子嚢胞子は主に風で飛散し、湿度の高い日に多くなることが知られている。これに対し、フサリウムの分生子は雨で流される。また、耐久性は子嚢胞子の方が高いことが多い。このように菌類は有性生殖・無性生殖をうまく使い分けているということもできる。(細矢ら、同書、p31)

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補注 アナモルフとテレオモルフについて分かっているとフザリウムに関しても理解が進むように思う。つまり、「フザリウムは不完全世代の名称であり、完全世代は種によって異なる」というわけである。

ウィキペディアによると・・・https://ja.wikipedia.org/wiki/フザリウム
フザリウム (Fusarium) は、菌類(カビ)の一属である。フザリウムは不完全世代の名称であり、完全世代は種によって異なる。完全世代としては、Nectoria, Gibberella, Calonectria, Hypomycesなどが知られる。
これまで、世界で100種以上が報告されている。さらに、分子遺伝学に基づいた種の再検討が行われており、最終的には500種以上になると考えられている。土壌中や人間の住環境中など広範囲に生息している上、植物に病気を引き起こす種やマイコトキシンを作る種もあるなど、人間にとっても重要なカビである。

植物病原菌としてのフザリウム 同じくウィキペディアによると・・・https://ja.wikipedia.org/wiki/フザリウム
宿主植物を萎れさせるタイプのものと、組織を腐敗させるものとに大別される。
萎れさせるタイプのものは、宿主植物の根から感染し、木部の道管に菌糸体を広げる。その際に植物側は、導管に隣接する柔組織がふくらんで導管を塞ぎ(チローシスとよばれる)、水の吸い上げを物理的に阻害することになり、植物全体が萎れる。また、フザリン酸など、いくつかのマイコトキシンも関わっていると考えられている。
特にF. oxysporumは、作物ごとに寄生性が分化した群が存在し、それぞれの群ごとに特定の作物に萎凋性病害を引き起こす。フザリウムによる萎凋性病害が大きな問題となる作物には、トマト、バナナ、ワタ、サツマイモ、マメ科作物、ウリ科作物、アブラナ科作物などがある。
腐敗させるタイプのものは、ペクチン分解酵素により細胞壁を溶解させたり、マイコトキシンの分泌により細胞膜の透過性を阻害させたりして、組織を壊死させることにより症状を引き起こす。代表的なものには、F. oxysporumによる タマネギの乾腐病、F. solaniによるジャガイモの乾腐病、エンドウの根腐病などがある。また、F. graminearumやF. asiaticum、F. culmorumによる穀類の赤かび病は、作物の組織を殺すのみならず、後述のようにマイコトキシンを産生し、人畜の健康被害をもたらすことで問題となっている。
また、イネばか苗病は、イネの苗が徒長するもので、病原菌はGibberella fujikuroi(不完全世代:F. fujikuroi)である。この種は植物の生長ホルモンの活性があるジベレリンを分泌するため、イネの生長が異常になるのである。

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補注  Fusarium oxysporum について:
Fusarium oxysporumは、自然界に広く分布する土壌生息性糸状菌であり、土壌中の有機物などを利用して腐生的に生存しています。しかしながら、本菌には異なる作物に萎ちょう性の重要病害を引き起こす80以上の病原性系統(分化型)が存在します。さらに、いくつかの分化型には感染する品種が異なるレースも存在します。http://www.agr.nagoya-u.ac.jp/~papmpp/introduction.htmより引用。

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