2022年1月5日 水曜日 曇り
神野正史 「移民」で読み解く世界史 イースト・プレス 2019年
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・・ひとつの鎖された社会(原注#)に大飢饉が襲い、絶滅寸前まで追い込まれた民族は「思いやりグループ」しか遺伝子DNAを残せないため、困った人を見るとついつい助けてしまう“お人好し民族”になってしまうのです。
そして事実、古代アメリカでは何度も絶滅が危惧されるほどの大飢饉に襲われたことがわかっています。
その大飢饉を生き延びた先住民(インディアン)たちは必然的に「困った人を見ると助けずにはおられない」という民族性を持つようになったのでした。(原注##)
しかし、古代において彼らを絶滅の危機から何度も救ったその“心やさしき民族性”こそが、皮肉にも、16世紀、彼らを絶滅の危機へと追い込んでいくことになるのです。(神野、同書、p130)
原注# 大陸など「鎖されていない社会」においてはその限りではありません。なんとなれば、大陸において飢饉が起これば、他地域に移民するという“逃げ道”があるからです。(神野、原注、同書、p131)
原注## インドや日本でも過去、何度も大飢饉に襲われる歴史を経験してきたため、インディアン同様、世界でも稀にみる“お人好し”民族となってしまいました。しがたって、やはりインディアン同様、しばしばそこをつけ込まれて窮地に追い込まれることになります。(神野、原注、同書、p131)
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