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ヨーロッパ人は戦闘民族: 貧しく厳しい自然環境の中で何千年にもわたって生き抜いてきた遊牧系狩猟民族。

2022年1月5日 水曜日 もやった曇り。午後は陽射し。

神野正史 「覇権」で読み解けば世界史がわかる 祥伝社 平成28年(2016年)

 ・・国民を総動員して、お互いに国のすべてを消耗しきるまで戦いつづける「国民の戦争」では、敗戦国から賠償金を取ろうにも、取れる状態ではありません。

  こうして産業革命以降、その経済力と軍事力を背景にして世界を席巻したイギリスを筆頭としたヨーロッパ世界は、たちまちAA圏を食い尽くすや、今度は仲間内で「共食い」をはじめ、「自滅」という形を辿って衰亡の道を歩みはじめます。(神野、同書、p225)

 戦闘民族ヨーロッパ人

 もともとヨーロッパ人というのは遊牧系狩猟民族で、貧しく厳しい自然環境の中で何千年にもわたって生き抜いてきた民族です。  そんな彼らにとって「戦って勝つことだけが正義」であり、「糧」とは自ら額に汗して得るものではなく、異民族から掠奪するもので、敗者には死か奴隷の道しか与えません。  他の民族に比べても異常に尚武精神の強い、・・“戦闘民族”です。

 そんな彼らが「産業革命」という武器を得たことで、その侵掠の規模を全世界に広げることが可能となり、実際にそれをやってのけたのが「帝国主義時代」です。

 しかし、掠奪する対象(AA圏)が膨大に広がっている間はよかったのですが、それを食い尽くしたとき、今度は仲間内で共食いが起こることを、彼ら自身、止めることができませんでした。  そうして性質の民族だからです。

 つまり、彼らは戦闘民族ゆえに全世界を席巻することができたのですが、戦闘民族ゆえに自滅していく道を避けることができなかったのです。(神野、同書、p226)

 歴史法則16  その国の成立・発展の礎となったものが、その国の衰退・滅亡の原因となっていく。(神野、同書、p80)

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補註: 移民に関しては以下もご参照ください。

神野正史 「移民」で読み解く世界史 イースト・プレス 2019年

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