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意鬱結するところありてその道を通ずるを得ず、故に往事を述べて来者を思うなり

2015年12月17日 木曜日 雪

司馬遷 史記7 思想の命運 西野・藤本・訳 徳間文庫 2006年(オリジナルは1988年)

故事を述べて、作らず:

余はいわゆる故事を述べて、その世伝を整斉(せいせい)す。いわゆる作るにはあらず。而るに君これを春秋に比するは、謬れり。(太史公自序、同書、p407)

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・・・孔子は陳・蔡(さい)に厄(やく)して、春秋を作り、屈原は放逐せられて、離騒を著し、左丘(さきゅう)は明を失いて、それ国語あり、孫子は脚をきられて、兵法を論じ、・・・これ人みな意(こころ)、鬱結(うつけつ)するところありて、その道を通ずるを得ず、故に往事を述べて、来者を思うなり。(太史公自序、同書、p409-410)

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ここをもって腸(はらわた)一日にして九廻(かい)し、居れば忽忽(こつこつ)として亡(うしな)うところあるがごとく、出づればその往くところを知らず。この恥を念うごとに、汗いまだかつて背に発して衣をうるおさずんばあらず。(文選「報任少卿書」、同書、p449-450)

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