culture & history

叛乱者は盗とよばれた

2016年1月5日

白川、孔子伝、中公文庫、1991年(オリジナルは中公叢書1972年)

左伝(襄十年)には、「書して盗といふは、大夫なきをいふなり」と説いている。叛乱者は盗とよばれたのである。(白川、孔子伝、中公文庫、p132)

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2016年1月9日

 孔子の時代の反体制者は、おおむね盗とよばれる政治的亡命者であった。(白川、同書、126ページ以下) しかしこの時期(楊朱・墨子・孟子の時代)の反体制者は、主として反社会的な集団の指導者たちであった。うちつづく戦争のために荒廃した各地には、多数の生活の基盤を奪われたものや逃亡者が出ている。戦争の規模は次第に拡大し、その犠牲者の惨苦は、想像を超えるものがあったようである。・・・もはや人間の自由や尊厳が説かれる時代ではなかった。
 このような時代の、多くの流亡者を指導したものは、当時の儒侠・墨侠とよばれるような人たちであったらしい。(白川、同書、p200)

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