culture & history

史の伝統 史は祭祀者・神への献身者であった

2016年1月3日

白川、孔子伝、中公文庫、1991年(オリジナルは中公叢書1972年)

史もまた、古くは巫祝の徒であった。史は祭祀者であった。・・・かれらはその祭儀の儀礼執行者であるとともに、またその祭儀の由来する神々の物語の伝承者であった。それは祭儀が、すべての神話の実修的な形態であることからみて、当然のことである。(白川、孔子伝、p86-87)

それにしても孔子がかつてその現実の行動のうちに示した、あのはげしい求道者的な精神、また道への献身は、どこから生まれてきたものであろう。それは巫祝者の示すエクスタシーのような熱狂ではなく、あくまでも理性的であり、理想を追うもののみが示しうる情熱である。そこには理想に生きるものの、かがやくような美しさがある。私はそれを、史の伝統の中に求めうるのではないかと思う。(白川、同書、p86)

やがて政治と宗教との分離が起こって、史は祭祀儀礼や古伝承を担当し、伝承のための記録を掌るものとなる。・・・史は春秋の時代に、最高の知識階層であった。(白川、同書、p90)

祝史の間には、このような職事に対する献身、自己投棄の伝統がある。それはかれらがかつて、神への献身者であったからである。(白川、同書、p91)

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