mathematics

すべての性質はその性質をもつすべてのものの集合を決定できるか?

2016年3月19日 津山は霧・朝は雨(、のち曇り、のち晴れ)

レイモンド・スマリヤン スマリヤンの無限の論理パズル ゲーデルとカントールをめぐる難問奇問 長尾 確 訳 2007年 白揚社 (原著は Raymond Smullyan Satan, Cantor, and Infinity, 1992)

無制限抽象化原理: すべての性質はその性質をもつすべてのものの集合を決定できるという原理

 この一見自己完結していそうな原理こそが、論理的な矛盾を引き起こすのだ!・・これはカントールのパラドックスだけでなく、ラッセルのパラドックスをも引き起こす。・・・つまり、カントールのパラドックスの誤りは、すべての集合の集合なんてものが存在するということであり、ラッセルのパラドックスの誤りは、すべての通常集合の集合なんてものが存在するということである。これら2つの集合は、たんに「存在しない」のである。 しかし、無制限抽象化原理は、明らかにこららのパラドックスに到達する。したがって、この原理は正しくない。これが正しく「思えてしまう」ということが、まさに・・わらわれの集合に対する素朴な考え方に基本的な間違いがあるという意味なのだ。(同訳書、p253-254)

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