culture & history

時を定めて来たり臨む神「まれびと」

2016年3月16日 水曜日 晴れ 雪解け

上田正昭 日本古代史をいかに学ぶか 新潮選書 2014年

折口古代学の「まれびと論」
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まれびとの最初の意義は、神であったらしい。時を定めて来たり臨む神である。
国文学の発生ばかりではない。芸能の起源についても、なにごとも発生学風に研究してゆく折口学にあっては、「まつり」から説きあかす。神が来臨しなければ、まつりにはならないのであって、来臨する神、つまり「まれびと」の「饗宴から」芸能が出発することになる。 ・・「まれびと」の発見に関して、「なぜ日本人は旅をしたのか、あんな障碍の多い時代の道を歩いて、旅をどうして続けて行ったのかというところから、これはどうしても神の教えを伝授するもの、神々になって歩くのでなければ旅はできない、というところから始まっているのだと思います」と、おのれを顧みていわれるのである。(上田、同書、p159-160)

帰化vs渡来
著書「帰化人」によって「帰化」は、王化あるいは皇化の思想にもとづく所産の用語であることを指摘した。そして「帰化」という用語を好んで使っているのは「日本書紀」であり、「古事記」や「風土記」などには「帰化」の用語は全く使われておらず、「参渡来」「渡来」の用語でしるされている点に注目すべきことを主張した。(上田、同書、p188)

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