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シロアリ 女王様、その手がありましたか!

2016年10月21日 金曜日 雪(薄く積もっている)

松浦健二 シロアリ 女王様、その手がありましたか! 岩波科学ライブラリー202、2013年

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ニンフの中には有性生殖で生まれたものと、単為生殖で生まれたものがあるが、なぜ単為生殖で生まれたニンフだけが、女王フェロモンによる抑制を回避して、二次女王に分化するのか。この背景には、単為生殖で生まれた個体は、女王フェロモンの受容体が機能しておらず、二次女王分化の抑制が効かないというしくみがあるようだ。(松浦、同書、p88)

親バカ女王の魔法?
女王は、有性生殖でできた娘の女王への分化を女王フェロモンで抑制する一方、単為生殖でできた娘にはそのルールを破るように仕込んでおかなければならない。どちらも自分の子どもなのに、一方には女王フェロモンの受容体をもたせ、他方にはそれをもたせないというような操作が可能なのだろうか。  このような親バカ的な都合の良い操作は、従来のメンデル遺伝学では説明が困難である(限りなく不可能に近い困難)。・・・(中略)・・・いずれにしても、メンデル遺伝学だけでは単為生殖による女王継承システムの維持は説明できない。  そこで私たちは、ゲノムインプリンティング(遺伝子刷り込み)の可能性を考えている。(以下、略)(松浦、同書、p89-90)

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