biology

虫のすみか

2016年10月20日 木曜日 雨

小松貴 虫のすみか 生きざまは巣にあらわれる ベレ出版 2016年

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イチジクコバチーーー利用するのか、されるのか
イチジクの仲間は熱帯を中心として、世界中に広く分布する樹木の仲間です。日本にはそのうち12種が自生しています。我々日本人が栽培して花囊を食用にする、一般的にイチジクと呼んでいるものは、西アジアから中国を経由して日本にもたらされた種とされていて(由来には諸説あるようです)、もともと在来のものではありません。・・・(中略)・・・ メスの木ではハチがタダ働きさせられ、イチジクだけが次世代を残せるわけです。・・・(中略)・・・ つまり、オスの木ではハチだけが次世代を残せるのです。その「実」からは、かたやハチ、かたやイチジクのタネが生まれるのです。(小松、同書、p200、204)

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地下性昆虫ーーー「広」所恐怖症
 我々は地面の下を、土と石がひたすら詰まっただけの場所だと思っていますが、実際には、地下には大小さまざまな隙間が存在します。そのなかでも、人が入れるサイズの空隙が、普段我々が「洞窟」と呼んでいるものです。しかし、人間から見ればほんの幅数mmしかない地中の隙間さえ、小さな虫にとっては、広大な「洞窟」みたいなものです。そんな地中の隙間に挟まって生きている、不思議な虫がいるのです。  チビゴミムシ亜科 Trechinae のゴミムシは、地下の空隙で生活することにきわめて特化した甲虫の一つです。・・・(中略)・・・視力をもたない代わりに、彼らは体表に長い針のような毛をもち、これを杖の代わりにして歩き回ります。動きはとても素早く、目が見えないとはとても思えないほどです。(小松、同書、p236)

ゴミムシ以外にもハネカクシ、チビシデムシ、タマキノコムシなど多くの甲虫分類群で、独立に地下性昆虫が進化しました。・・地下性の甲虫は原則としてどれも肉食のハンターです。日光の差さない地下では緑色の植物が育たないため、他の生物を襲って食べるしかありません。深海にも似た、過酷な生存競争の場なのです。  地下性甲虫は、自分の生息域の地下空隙に挟まったまま、外を出歩きません。翅も退化していて飛べません。よその地域の仲間とまったく交流せずに生きているため、その土地その土地で細かく種が分かれる傾向が強く、例えば盲目のチビゴミムシは、日本だけでも300〜400種の種が確認されています。(小松、同書、p242)

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補注 南西諸島 ウィキペディアによると・・・
南西諸島(なんせいしょとう)は、九州南端から台湾北東にかけて位置する島嶼群である。
北から南へ、大隅諸島、吐噶喇列島、奄美群島、沖縄諸島、宮古列島、八重山列島と連なり、沖縄諸島の東に離れて大東諸島、八重山列島の北に離れて尖閣諸島がある。

大隅諸島は南西諸島の北部に位置し、屋久島・種子島・口永良部島・馬毛島の4島から成るが、広義には西側の三島村に属する島々(上三島、口之三島ともいわれる)も含まれる。(以上、ウィキペディアから引用)

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