culture & history

トロワ条約による英仏二重王国とヘンリー5世

2021年3月30日 火曜日 曇り

通史で伝えられている歴史など、全て結果論にすぎないという理(ことわり)を再び確認しておきたい。(佐藤、英仏百年戦争、p117)

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 ・・結論を先取りするならば、それは「アンジュー帝国」の復興という、その実は「領地」の感覚に促された戦争でも、直系だ、傍系だと「家」の感覚に引きずられた戦争でもなくなっていた。すでにイングランドがフランスを征服する、あるいはイングランド人がフランス人を服従させるというよな、今日にも通じる「国」の感覚で行われる戦争が、いよいよ始まろうとしていたのだ。トロワ条約を「フランス史上」で最も屈辱的な取り決めとする後世の評価も、もはや的はずれなものではない。(佐藤、同書、p138)

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Henry IV

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Henry V

ヘンリー5世  この王に関する先入観は「シェークスピア症候群」の最たるものといってよい。が、いうまでもなく、文豪の描写は虚実ないまぜのものであり、のみか魅力的な主人公に仕立てるための作家的技巧まで、みえみえに駆使してある。(佐藤、同書、p138)

・・が、そこが庶民派ということで、ヘンリー五世は身分の低い者のように英語しか話せなかったのだ。・・ほとんど仏語を話せない、いや、話さない最初のイングランド王の出現は、どのように解釈されるべきだろうか。(同書、p140)

・・おりしも宗教改革者ウィクリフの一派が聖書の英訳を始め、またチョーサーが英語で『カンタベリー物語』を著わし、文字の世界でもラテン語からの脱皮が計られた時代のこと、王が「国語」として英語を意識し、また「外国語」として仏語を捨てるようになったとしても、これまた不思議な運びではない。  ・・英語しか話さないヘンリー五世は、イングランド人として即位した、最初のイングランド王だった。・・その戦争は父祖伝来の領土を奪還する戦争ではなく、フランスという「外国」を征服する侵略戦争に変質していたのである。(同書、p141)

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シャルル6世

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