菜園日誌

菜園日誌 160806-160810 ブドウベト病

2016年8月6日 土曜日 晴れ

ブドウ、黒痘病 ソーヴィニヨン・ブランで10株程度。程度は酷くなくて、一直線に悪くなるというよりも新梢生長点が自力で克服しつつある(ものもある)。

それよりも重大なのは、ブドウベト病。バッカス・シャルドネを中心に下葉がひどくやられたものが急に目立ち始めた。今週の月・火曜日の時点では目立たなかった。ということは、先週末の雨で発病・顕現してきたと思われる。かねてからの方針通り、ベト病に治療的に効く薬で対応することとする。うまく治療に成功したら、予防薬に切り替える予定。

すなわち、納豆菌強化版の愛媛AIでは予防しきれなかったのである。

コスズメの幼虫、大型、2匹、捕殺。

トマト、アイコ、ステラミニ、それぞれ収穫。ステラミニは初収穫。

カボチャ、若取りで、4個ほど収穫。心配していたように、すべての株で立ち枯れ症状が現れ、全滅間近の様相。残念である。
去年までは化成肥料と農薬管理とで、一面、1ha以上の広さでカボチャが上手に栽培されていた。
今年から私たちの管理となり、トラクターによる耕耘、鶏糞のみの施肥、黒マルチかけ、を行った。苗は家庭菜園の土を使ってポット苗(10.5cm)で養成。定植直後から、寒さと天候不順のため生長が悪く、暑くなって順調に生長が始まった矢先、立ち枯れ病が発症し、次々と波及していった。
発症の機序としては、
化成肥料と農薬管理とで、病因となる菌が有ったとしても上手に抑えられていたのに、今年から鶏糞を投与して有機的に管理し始めたことによって、却ってバランスをくずし、病因となる菌が優勢にはびこってしまったことが考えられる。
上手に作るためには、むしろ去年と同じ、化成肥料と農薬管理を保守的に行うべきだったかもしれない。急に有機に転向しようとして、鶏糞(発酵鶏糞とはうたわれているが、アンモニア臭が強く、未熟なものである。)を用いたことが失敗の原因であろう。時間をかけて有機・腐植を蓄積させていくことによって、良い土にしてゆくことが、有機農業へと転じてゆくための「急がば回れ」の近道であろう。残念だけど、今は、このように考えている。

今後4,5年はカボチャなどのウリ類を作ることはできない。
この場所は、トウモロコシ、ヘアリーベッチなど、イネ科・マメ科の緑肥作物を育てながら、バランスを回復させてゆく。

激辛トウガラシ、4本のうち2本が枯れ。マルチで雨のあとに水分過多・過湿になるのが原因かも知れないが詳細不明。鷹の爪、10本は大きく育ってきている。

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2016年8月7日 日曜日 晴れ

手分けして、
1)ベト病に対して、リドミルゴールドMZ 1000倍液を散布。
2)南側のブドウ垣根下の草を刈り払い。
炎天下、熱中症に気をつけ、こまめに補水。

午前中、コスズメの幼虫、大型2匹捕殺。

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午後、同上。
コスズメの幼虫、一匹も見つからなかった。

午前中、50リットル。午後60リットル、計110リットル。リドミルゴールドMZ1000倍液を散布。これでベト病が収まってくれれば良いが。

刈り払いもほぼ終了。

厳しい一日の労働であった。気温は31.5度まで上がった。

トマトアイコ、収穫。トマトステラミニ、収穫。

Nさんからブルーベリージャムをいただいた。

観察
3週間前の肥料施用の効果
1)特にシャルドネ、次いでバッカスでは顕著。ソーヴィニヨン・ブランではわかりにくい。
2)シャルドネ、バッカスに関して、化成肥料の効果が高い(生長・葉の色)。速効性の魚粉も(化成肥料にやや劣るが)効果あり。
液肥の効果は明らかに固形肥料に劣る。(量が足りないのであろう。) 施肥を行わなかったコントロール群は、明確に生長が劣り、葉の色も薄い。
3)今のところ、施肥による病害虫の発生は明らかではない。ベト病、黒痘病に関して、施肥との関連は見られない。

ソーヴィニヨン・ブランの不調について考察:
施肥の効果ははっきりしない。
葉の色が薄く、生長点の元気さが足りない。
このところの日照り続き・旱魃のためか、葉っぱがかさかさ乾いた感じ。しっとりとした元気さがない。根が十分に深い砂礫層に含まれる水を捉えられていない感じか。一番線に届きそうなものがほとんど見られず、生長が止まっている感じ。根の力が弱いのが、施肥に反応しづらいことの原因ではないかと考察してみる。2年かけて根がしっかりと砂礫層まで入りこんでいくまで守り育てればよいのだろうか。

せっかくの高温・晴天のこの頃の天候にも関わらず、根が伸びていないために深いところ(砂礫層)の水を吸い上げられず、旱魃の影響を受けて、ソーヴィニヨン・ブランは伸びられない状況なのだろう。

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2016年8月8日 月曜日 晴れ 暑い 強烈な陽射し 気温も高い

朝から、誘引・脇芽欠き・苗の周辺の草むしり。計9列、約450本。午後1時まで約5時間。

燎原の火のように広がり始めていたベト病、昨日から今日ではぴたりと収まっている感じがする。(一昨日から昨日では一日で一段と広がってしまったのである。)

Nさんに寄ってもらって、ラベンダー入りイチゴコンフィチュール、アンズジャム(クルミ入り、シャンパンブレンド、それぞれひとビン)をさし上げる。

茶色の細長いイモムシ1匹、捕殺。緑色のヨトウムシ若齢1匹、捕殺。スズメガの幼虫、この午前中には1匹も見つけられなかった。

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午後1時過ぎに帰宅、M振興公社のSさんにおいでいただき、自宅の壁のボードの取りかえ(ネズミやスズメバチの侵入経路の封鎖を含む)の見積もりをいただいた。同時に、前回の網戸の張り替え、スズメバチ退治の費用請求書もいただいた。払い込みに行かなくてはならない。Sさんに、家庭菜園用の水道の蛇口の取りかえも依頼。3年前にこちらに引っ越してきたときから漏れが気になっていたのである。

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午後、Lenovo のノートパソコンをオーダー。13.3インチ、SSD128Gb。重さは1.4kg(ということは、持ち重りするぐらいだろう。現在のMacBookAirが1.3kgである)。NECの軽量のノートだと800グラム程度だから、今回オーダーしたものの半分ぐらいの重さである。そうなると10万円を超えてしまう。今回のLenovo13のタイプだと、本体6.2万円、消費税をいれても6.7万円である。(さらに家人の要望であるオフィスのソフトを別途購入すると2万円前後の支出が加算される。パソコン本体の価値に比し、これは重すぎて痛い。)ウィンドウズ10マシーンに振り割く資金としては、今回ぐらいが妥当な上限ではないかと思う次第である。来年のMacBookの新型が軽量であれば、そして妥当な値段であれば、モバイル用に欲しいなと思っている。macのノートパソコンは壊れないのと使い易いことで、とても気に入っている。

午後の畑仕事:
トマト、誘引。ステラミニトマトの収穫。アイコ、収穫。
ソーヴィニヨン・ブランの誘引・脇芽欠き、周囲の草むしり(午前中の続き)。3列、150本。旱魃のせいもあって、葉っぱがかさかさで、精気に欠ける。生長も(施肥効果のあった)シャルドネの列の元気さに比べて、止まっている感じ。

夕刻、7時過ぎで終わりとする。

自宅でバラに水やり。

観察:
先日、根元でカットしてそのままにしていたオニアザミ、つぼみだったのに、花が咲いたのか、タネを飛ばそうとしている。凄い生命力である。自宅に持ち帰り、分厚い袋に包んで、一般ゴミで捨てることにした。焚き火で燃やせないと、なかなか辛い。

コスズメの幼虫、1匹を捕殺。中型と大型の中間ぐらいの大きさ。この大きさは珍しい。しかも、葉っぱを食い荒らしていない。(誘引中にたまたま見つけたのである。これも珍しい。)捕まえてみるとどことなく元気がない。昨日のリドミルゴールドMZが付着した葉っぱを食べたために食中毒を起こしたのかも知れない。詳細不明。・・しかし、納豆強化版の愛媛AIの毎週散布ではなく、ボルドー液その他の殺菌剤を毎週行っていたとしたら、このようなコスズメの被害(すでに50本以上も大被害)には恐らく遭わなかったのではないかと思われるのである。いろいろなことを、痛い思いを味わいながら、経験し学びつつある。

三日月。夕陽と雲が美しい。

自宅に戻ると、家の中はむっとする暑さである。昼間の太陽光で二階の屋根(その下に断熱材が入っていない家屋だったのだ)が焼き上げられてその余熱が一階にまで及んでいる。北海道とはいえ、この暑さ・多湿の蒸し暑さは厳しい。

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補注 深夜から明け方にかけてかなりの雨。無理してでも施肥を行っておくべきであったかも。

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補注
居間の気温29度、湿度70%(8月8日23時)。朝は涼しくて、同じく居間の温度計で気温26度、湿度は70%(8月9日朝)

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2016年8月9日 午前中は曇り、風つよし。 午後は快晴。

午前中
雨あがり、車は圃場には入れない。軽トラを取り付き道路においたまま、今シーズン・2回目の施肥(一株に一握り50グラム程度)。1250本。左腕でバケツを抱えて歩くので、かなりの重労働である。

誘引・脇芽欠き・苗周囲の草むしり、2列、100本。12時半まで。

午後
誘引・脇芽欠き・草むしり、続行。4列、180本。7時過ぎまで。快晴。

コスズメの幼虫、大型1匹捕殺。他に、小さなイモムシ1匹捕殺。

誘引作業も、残るは8列、400本ほどとなった。順調に進めば、明日の午前午後で一通りの誘引を終えられそうである。

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2016年8月10日 水曜日 快晴(湿度が低く55%、風があって快適。ただし、陽射しが強烈で畑仕事はきつい。)

午前
誘引・脇芽欠き・草むしり、続行。バッカス、1列。ソーヴィニヨン・ブラン、2列。計150本。草むしりがかなりの労働で、この程度しか進められなかった。

ソーヴィニヨン・ブランの生長点は元気そうであり、みずみずしい。昨日未明の雨のお蔭だろう。今日はすでに地面が乾き、また旱魃が厳しくなりそうである。

コスズメの幼虫、中型1匹捕殺。リドミルゴールドMZの影響で病気っぽかったのは、昨日の1匹のみで、今日の1匹は元気そうであった。まだ気を抜くことが出来ない。

バラ、ナエマ、花と蕾の枝、4枝。香りは典型的な薔薇の香り。

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午後
誘引・脇芽欠き・草むしり、続行。シャルドネ、1列。ソーヴィニヨン・ブラン、2列。計150本。草むしりが重労働で、午前の作業の後は腕や腰が痛む。

コスズメの幼虫、午後も、中型1匹捕殺。依然、気を抜くことが出来ない。

トマト、ステラミニ、アイコの収穫。妙紅の小さいものも2,3収穫。テープナーR100で誘引していたものがちぎれてトマトの茎が倒れたり折れたりしてた。テープナーを使うときは、トマトには必ずR200(緑色)を使わなければならない。ブドウも結果母枝以上の木になったものには必ずR200ないし麻紐などを使わないと、一二か月後に切れて大変なことになってしまうだろう。

カボチャはほぼ全滅。立ち枯れ病の脅威を思い知る。

快晴で、夕陽と夕焼けの空が美しかった。

今日もハードな一日であった。腕や足腰が痛む。

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2016年9月2日 金曜日 晴れ

朝、圃場にて。順調に育っている南側の西から8列目、シャルドネの下葉に病変。白いカビ。ベト病の再発である。(自宅にて、実体顕微鏡でも確認。)

ボルドー液を使ったのが、今週の月曜日だから、ほんの3日半前。ボルドー液では予防しきれなかったのである。それとも散布の仕方が不十分で、ボルドー液がかかっていないところに発病したのかも知れない。

今日はすぐさま、治療薬剤散布を考えなければならない。どの範囲にか? このところ圃場を南北の半分に分けて、散布も別々にやっているために、現状把握も喫緊必要である。 補注 南側のカラム、シャルドネだけでなくソーヴィニヨン・ブランにもベト病の発症が見られる。バッカスは明確でない。北側のカラムのシャルドネも、南側のシャルドネに比して程度は低いものの、はやりベト病のカビが葉裏に並んでいるものがある。(今回は南側に関しては、シャルドネを見ただけ) 別畝の挿し木に関してもシャルドネに明らかにベト病が再発。ベト病に関しては、シャルドネが罹患性が一番高いようだ。 すなわち、圃場全体に付き、治療薬剤散布が必要。2016年9月2日12:10追記。

今回の処方 ホライズン ドライフロアブル2500倍 6グラムを15リットルに。
併用剤として、ジマンダイセン 800-1000倍 (18.75〜15.0ml/15リットル)http://www.greenjapan.co.jp/horizon_df4.htm によると、ホライズンに対しジマンダイセン併用の薬害はブドウに関して観察されないとのこと(充実した併用表が載っている)。今回、ホライズンはドライフロアブルなので展着剤は用いない。ホライズンを溶かしてから、水和剤のジマンダイセンを薄めて加えて調製する。

午前中で15リットルを2.5杯、シャルドネ3列にかけられただけ。丁寧にかけているが、このペースだと仕事が終わらない。午後はペースを速めなければならない。(実際、午前中のシャルドネ西から6,7,8列が一番よく生長している列である。これらに丁寧に散布すると薬液が一杯いるわけである。午後はもっと速く進めると思う。

コスズメの幼虫、大型1匹捕殺。この後に及んでまだコスズメか・・イヤになるが、親が生み付けるのだから仕方がない。ほかにも、毛虫、2匹捕殺。毛虫の方は名前を調べるゆとりがない。また、数も今のところ多くなく、散発的で、しかも葉っぱの食害は軽微と言ってよい。

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暑い。室温が30度。外の方が風が吹いて涼しいくらいだ。休んでいた方が身体によい残暑であるが、ベト病と戦わなければならない。

午後は、まず挿し木苗に支柱を立て、誘引。大幅に遅れてしまったが、マルチの上に倒れているようでは、ボルドー液の散布もままならず、それがベト病再発の原因にもなっていたかも知れない。作業自体は単純であっという間に終わるはずであるが、苗の本数が多いので意外に時間がかかった。綺麗に咲いている黄花コスモスも感謝しながら、抜いてしまった。コスモスが繁茂していては隣のブドウ挿し木苗の手入れができないから致し方ない。挿し木苗は8月初めのベト病の傷跡(今は瘢痕状態)が痛々しい。

次いで、シャルドネ4列目(西から9列目)からホライズン散布開始。ソーヴィニヨン・ブランの4列、最後はバッカスの5列目半分だけを終えて、もう暗くなってしまった。残りは明日。挿し木苗にも薬剤散布しようと思うが、今日は果たせなかった。

この仕事の進み方を考えると、今年は、ブドウの世話をしているというよりも、ほとんどの体力気力を薬剤散布作業に使ってしまっている状況である。来年はスピードスプレイヤーないし同等のものがあったほうがよかろう。

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