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肥料になった鉱物の物語

2018年3月7日 水曜日

髙橋英一 肥料になった鉱物の物語 ーーグアノ、チリ硝石、カリ鉱石、リン鉱石ーー のぎへんのほん 研成社 2004年

自然界でのカリウムとナトリウムの分布の違い
 カリウムとナトリウムは地球表層にはほぼ同じくらい存在するが、その分布は陸と海で著しく異なっている。すなわち土壌中にはカリウムはナトリウムの二倍以上存在するのに、海水中にはカリウムはナトリウムの三〇分の一くらいしか含まれていない。・・・(中略)・・・
 ・・これらの事実は、生物が上陸する前の生息環境である海のカリウムとナトリウムの濃度を反映しており、動物は体液という海を宿し、植物は海の衣を脱いで上陸したように思われて興味深い。またその結果、一般の植物はナトリウムを必要とせず、むしろ過剰の害が問題になるのに対して、陸上動物はナトリウムの獲得が必要であり、とくに草食動物ではナトリウム不足になりがちである。(髙橋、同書、p81)

アメリカにおける木材の灰からのポタッシ生産
 ・・アメリカからヨーロッパへの二世紀にわたる木灰の輸出は、木灰以外のカリ資源が知られていなかった時代のヨーロッパの産業の発達を大いに助けた一方で、アメリカ東部諸州の農業の生産性を著しく低下させた。(髙橋、同書、p93)

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