2019年3月6日 水曜日 曇り
志ん生 おかめ団子 https://www.youtube.com/watch?v=DbqPG-eM7QM 動画付き
志ん朝 おかめ団子 https://www.youtube.com/watch?v=SnOjIV_S0Fs
https://www.youtube.com/watch?v=ylL1WfGMO58
音声のみ(この二つは同じテイクのようだ)
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親孝行にまつわる人情噺
麻布飯倉片町の名物「おかめ団子」
あらすじは: http://sakamitisanpo.g.dgdg.jp/okamedango.html あるいは
http://senjiyose.cocolog-nifty.com/fullface/2005/08/post_9081.html
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補註 飯倉片町は現在の港区麻布台三丁目、東京タワーの直下。同名の交差点が六本木5丁目辺りにある。「落語あらすじ事典 千字寄席」さんのサイトによると「旧幕時代はというと、武家屋敷に囲まれた、いたって寂しいところ。山の手ですが、もう江戸の郊外といってよく、タヌキやむじなも、よく出没したとか。飯倉片町おかめ団子は、志ん生ファンならおなじみの、「黄金餅」の、道順の言い立てにも登場していました」とのこと。http://senjiyose.cocolog-nifty.com/fullface/2005/08/post_9081.html
大根屋(棒手振)の男(太助)の家は中目黒。江戸の都心からはかなり離れている。畠の大根を仕入れて江戸の都心へ出て商い、夕刻には麻生片倉町経由で中目黒の自宅への帰途についた、というような地理的セッティングであろうか。同じく千字寄席さんのサイトによると・・以下引用:「近在の小作農が、農閑期の冬を利用して大根を売りに来るものです。ダイコヤと呼びます。大根は、江戸近郊では、練馬が秋大根(8、9月に蒔き10~12月収穫)、亀戸が春蒔き大根(3、4月に蒔き5~7月収穫)、板橋の清水大根が夏大根(5~7月に蒔き7~9月収穫)として有名でした。多助の在所の目黒は、どちらかといえば筍の名産地でしたが、この噺で売っているのは秋大根でしょう。大八車に積んで、山の手を売り歩いているはずです。」<以上、引用終わり> ・・ということなので、「唐茄子屋政談」の棒手振カボチャとは違って、大根の場合は棒手振ではなく大八車のようだ。路面の状況などを考えれば、大八車を引くのは相当な重労働であったことだろう。
補註 落語「おかめ団子」のパフォーマンス、志ん生と志ん朝とでちがうところ: 多々あって興味深いが・・
ストーリーの展開としては、志ん朝版では娘のおかめさんが婿として太助を選びたい旨の希望を母親を介して述べる形になっている。少し現代的である。志ん生さんのは父親(店の主)が太助を気に入って婿取りを勧める。こちらがオリジナルに近いヴァージョンだろう・・と思っていたが、実は、「古いやり方では、実は多助が婿入りするくだりはなく、お亀は、使用人の若者との仲が、親に許されず、それを苦にして自殺をはかったことになっていました。志ん生がそれを、あらすじのように改めたものです」とのこと(「千字寄席」さんのサイトより引用)http://senjiyose.cocolog-nifty.com/fullface/2005/08/post_9081.html
補註 マクラの小咄など、志ん生独特の面白さ、味わいがある。志ん朝さんがもう20年いや25年、長生きをしてくれていたら・・と思う。そうしたらきっとまた、志ん生とも今の志ん朝とも違った名人・志ん朝を聴くことができたろうに、と思うと残念でならない。
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千字寄席さんによると・・http://senjiyose.cocolog-nifty.com/fullface/2005/08/post_9081.html
モデルは実在の団子屋: 文政年間(1818~30)から明治30年代まで麻布飯倉片町に実在し、「鶴は餅亀は団子で名は高し」と川柳にも詠まれた名物団子屋をモデルとした噺です。
志ん生が一手専売: 明らかに自分の持ち味と異なるこの地味でつつましい人情ものがたりを志ん生がなぜ愛したか、よくわかりませんが、あるいは、若いころさんざん泣かせたという母親に主人公を通じて、心でわびていたのかも知れません。<以上、引用終わり>
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志ん生の動画は少ない。
岸柳島 https://www.youtube.com/watch?v=2hWzyVyyKv8
ふろしき https://www.youtube.com/watch?v=wq8GEEVpXWs あるいは https://www.youtube.com/watch?v=LryfU7Ej9Ls
そして今回紹介したおかめ団子、https://www.youtube.com/watch?v=DbqPG-eM7QM など。
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補註 190306 本題とは異なるが、将棋C級1組順位戦では藤井聡太君が都成さんに勝ったものの、師匠の杉本さんを含む上位の人々が勝ったために、藤井君のC1残留が決まったとのこと。ファンとしては少し残念ではあるものの、藤井君にはゆっくりと着実に名人への道を進んでもらいたい。応援している。
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