agriculture

人間社会の経済循環が次の世代でも存在するためには、環境において循環しない物は利用してはいけない

2019年10月20日 日曜日 快晴


槌田敦 エントロピーとエコロジー 「生命」と「生き方」を問う科学 ダイヤモンド社 1986年

 ・・しかし、現代石油文明の排出する廃物については、環境はこれを資源に戻す能力がなく、したがって循環が形成されていない。つまり、資源の枯渇という問題だけでなく、廃物のエントロピーが一方的に増大するという問題が生じている。


 資源の枯渇のほうは、実はたいした問題ではない。というのは、資源がなくなったら、その資源を利用しない生活をすればよいからである。資源がなくなるという問題だけならば、経済学の根幹をなす市場原理も計画原理も有効だから、一時的混乱はあっても、人間の経済関係を抜本的に変更しなければならないという事態にはならない。

 しかし、循環と切り離された廃物の問題、特に廃物の毒性が長期間にわたって続く場合には、そういう訳にはいかない。この問題では市場原理も計画原理もまったく使いものにはならないのである。

 循環から切り離された廃物は、どこかへ捨てなければならない。その捨て場所はたちどころに枯渇する。・・つまり、人間社会の経済循環が次の世代でも存在するためには、環境において循環しない物は利用してはいけないのである。・・資源物理学のこの結論を取り入れた「エントロピー経済学」の構築が望まれる。(槌田、同書、p40)


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