culture & history

有配偶出生率低下の原因についての経済学的説明

2020年12月25日 金曜日 雪

鬼頭宏 人口から読む日本の歴史 講談社学術文庫1430 2000年(1983年『日本2000年の人口史』の改訂版)

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・・有配偶出生率低下の原因についてはさまざまな説明がなされている。経済学的には子供をもつことの価値が減退したのに対し、子供の養育費用が増大したことによって説明される。子供をもつ効用は、第一に育児や団欒を楽しむ消費財効用、第二に家業を手伝ったり給料を家計にいれる生産財効用、そして第三に老後の面倒をみてくれることを期待する老後保障の効用に分けられる。産業化によって子供の労働力としての意義は減退し、社会保障の充実や親子関係の変化もあって子供に対し老後保障を期待することも小さくなった。一方、高学歴化などによって、子供の養育にかかる費用は上昇してきた。加えて、躾の面では気苦労が増大するなど、子供をもつことに財政的にも、心理的にも負担が増大しているのである。(鬼頭、同書、p260)


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