読書ノート

ヴェストファーレン条約(2)

ヴェストファーレン条約(1)のつづき:

2021年1月1日 金曜日 雪


菊池良生 戦うハプスブルク家 近代の序章としての三十年戦争 講談社現代新書1282 1995年


・・ヨーロッパ各国はこれら新しい大地に乗り込む際に、ヨーロッパ公法という枠内での競争原理に基づき、陸地の取得、分配、生産をシステム通りに整然と行ったのである。つまりこの多数の主権国家併存システムとは、ヨーロッパによるヨーロッパのためのヨーロッパのものであったということである。かくしてヨーロッパはヨーロッパ以外の地域の主権はあっさり踏みにじり、ヨーロッパ中心主義を世界に強いていくのである(この項、カール・シュミット、新田邦夫訳『大地のノモス』参照)。


補註:この国際・和平会議に加わらなかったのは、イギリス(当然顔を出すべき国であるが、1648年当時イングランドは国内で内戦中)、ポーランド、ロシア、トルコ。

参加国66カ国、参加人員148人。(菊池、同書、p186)

つまり、ヨーロッパ以外として:ポーランド、ロシア、トルコ。

この圏内から外れた地域、たとえば、

北アメリカ

中南米

アフリカ

インド

東南アジア

東アジア

オセアニア、ハワイや南太平洋の島々

などの国々・諸地域の人々がヨーロッパに踏みにじられていったか、深くおもいを巡らす。

「ヨーロッパ的なもの」は、どこから生まれて、今どうしているのか、そしてどこに行こうとしているのか。

19世紀のナポレオン戦争、20世紀の第一次(ヨーロッパ)大戦、第二次(ヨーロッパ)大戦を経て、20世紀後半から・・今へと、またEUとして統合されつつあるヨーロッパ、歴史が緩やかにあるいは急速に進みつつある。


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