culture & history

グローバリズムとナショナリズムをどう両立させるか・・あらゆる民族がその特性を維持しながら共存することこそ真の国際主義である。

2022年9月30日 金曜日 晴れ 今日は久々の農作業のお休みの日。

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馬渕睦夫 ウクライナ紛争 歴史は繰り返す 戦争と革命を仕組んだのは誰だ ワック 2022年5月3日 (本書は、2015年にKKベストセラーズから刊行した『アメリカの社会主義者が日米戦争を仕組んだ「日米近現代史」から戦争と革命の20世紀を総括する』を改題し、加筆をしたものです、とのこと)

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「グローバリズム」と「ナショナリズム」の両立は可能か

・・今私たちが考えるべきことは、グローバリズムとの対決ではなく、グローバリズムとナショナリズムをどう両立させるかでなければなりません。グローバリズムという国際主義は、・・ユダヤ思想です。どのようにして両立を達成すればよいかのヒントが、実はユダヤ社会の世界戦略の中に見出せるのです。彼らはすでにグローバリズムとナショナリズムの両立を実践しているからです。

・・イスラエルというユダヤ国家は「ナショナリズム(民族主義)」の具現化であり、世界各国に散らばって住んでいるユダヤ人(彼らをディアスポラ・ユダヤ人と言います)は「グローバリズム(普遍主義)」の象徴であるわけです。・・ユダヤ思想にとって民族主義と普遍主義は一体不可分なのです。(馬渕、同書、p226)

・・ここで問題は、彼らユダヤ勢力が「民族主義と普遍主義との両立が認められるのは、自分たちユダヤ人のみ」と考えていることです。それは「非ユダヤ社会は歴史上ユダヤ人を差別迫害してきたから」という理屈です。(馬渕、同書、p227)

民族主義はユダヤ人を迫害する危険が常にあるので、彼らはユダヤ人の生存を確保するために、非ユダヤ人がグローバリズムという普遍主義のみに従って生きるよう工作しています。もし、彼らが非ユダヤ社会にもグローバリズムとナショナリズムの両立を認めることができていたならば、第一次世界大戦も第二次世界大戦も起こらなかったでしょう。さらに、現在の数多くの民族紛争も起こらなかったと言うことができます。この両立を、非ユダヤ人に認めることはできないのでしょうか。(馬渕、同書、p227)

・・・(中略)・・・

・・世界のすべての国が・・、「各々の国家を持ち、自国への帰属意識を維持しながら、各国と自由で活発な交流に勤しむ」という世界観を共有することです。このような世界観の共有によって、民族主義と普遍主義の両立を実現することができるのではないでしょうか。そう考えれば、民族主義と普遍主義の両立は、人類に普遍的な価値であると言うことができるのです。(馬渕、同書、p228)

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グローバリズムという国際主義思想は国際金融勢力に有利な思想でした。過去2000年にわたり祖国を持たないで国際社会の中で生き抜くために、彼らは自分たちに有利なさまざまな国際的な仕組みを発明してきました。現在の世界は、彼らの発明になる仕組みの恩恵を受けていることは確かです。

問題は「それらの国際的仕組みが実はユダヤ思想の具現化である」ということに、私たちの多くが気づいていないことです。あたかも、グローバリズムが歴史の必然の流れであるかのように錯覚して、グローバル化に適応することばかりに忙殺されているきらいがあります。

現在の国際的な仕組みの多くが実はユダヤ思想の具体化であると指摘することは、決して陰謀論でも反ユダヤ主義でもありません。ユダヤ思想の実際を知ることによって初めて、私たちはユダヤ思想との「本当の共存の在り方」を探究することが可能になるのではないでしょうか。

あらゆる民族がその特性を維持しながら共存することこそ、人類が多年にわたり求めてきた普遍的価値であり、これこそ“真の国際主義”であると言えるのです。(馬渕、同書、p228-229)

補註: 「真の国際主義」=あらゆる民族がその特性を維持しながら(ナショナリズム)、共存すること(グローバリズムとナショナリズムの両立)

という定義に従えば、

今までの国際主義の様々な形・・「共産主義」「社会主義」「リベラル思想」「ネオコン」「新自由主義(リバタリアニズム)」・・これらの共通項は、国家の価値や民族の価値、すなわちナショナリズムの否定であり、ナショナリズムを消滅させて世界を統一すること・・これらは、ナショナリズムと対決してナショナリズムを亡ぼすことを目指しており、「偽りの国際主義」とまでは言わないほうが無難にしても、世界を混乱に導き多くの人命を犠牲にし人々の暮らしを困難に陥れてきたという意味で「道を踏み誤った国際主義」とでも言うとよいのかもしれない。「非倫理的グローバリズム」とでも名付けたいと思う。このことを私たち(ひゃくせいという意味の百姓=人民=ピープル)が理解しさまざまな場面で自覚することで、大切な「グレート・アウェイク」が生まれ始めるのであろう。(補註220930終わり)。

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