学ぶこと問うこと

論文を書くときでも三手先を読もう

2001年3月1日

論文を書くときでも三手先を読もう

研究をやっていて楽しいことよりも苦しいことが多いのは、ほかの多くの職業と似たようなものだと思います。研究者の10大苦行を並べてみろ、といわれてまずベストテンの上位にやってくると思うのは、学生の原著論文投稿のための英語原稿を手直しする苦行です。苦行の思い出を語ればきりがありません。そしてまた、いつになったらこの苦行から卒業して、解脱できるのか、先が見えてきません。研究者としての現役生活を終えるまで涅槃への道は見つかりそうにありません。ひとりの大学院生を立派にして送り出せば、また新たな剛の者が個性的な英語原稿で責めて(攻めて?)くることでしょう。

よい論文を書くための基本は簡単で、1)自分がいいたいことをはっきりと知る。2)相手にわかってもらうためにわかりやすく話す。この2つです。強いてわたしなりにアドバイスするなら、3)3手先を読むこと。自分がこういうことを言う(行う)と、次に相手はこういうことを考えて反応してくるだろう、それに対して自分の3手目はどうなるか。この3手目がまずい結果になるとしたら、1手目を考え直す必要があります。ここで一番大事なのは2手目を独りよがりにならずに、相手の立場に立って考えることです。このように3手先を読みながら1手目を決断すれば正しい選択が可能でしょう。

論文書きに限らず、世の多くの事象に、「3手先を読む」が重要です。

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