literature & arts

しかし不快に思いましたのはこなた様に対してではなく、5百石ご加増との仰せを聞いて、ふとよろこびを感じたおのれのあさはかさでございました。

2023年5月26日 金曜日 朝は晴れ、のち曇りのち夕方から雨

山本周五郎 おさん 新潮文庫 昭和45年

 ・・わたくしは鈍根でございますから、ひとすじに戦うほかにはなんの思案もございません、身命を賭して戦えばそれでよいので、それからさきのことはどうあろうともなりゆきしだいだと存じております。(山本、青竹、同書、p29;オリジナルは昭和17年)

さしものに描き加えました数珠は、生涯そのひとに供養を忘れぬしるしでございます。(同、p30)

 ・・勝敗の決するところはまことに機微、ここぞと思う一刹那にはなにを捨てても戦いぬく覚悟が大切でござります。(同、p27)

 ・・なるほど不快でなかったとは申しません。しかし不快に思いましたのはこなた様に対してではなく、5百石ご加増との仰せを聞いて、ふとよろこびを感じたおのれのあさはかさでございました、正直に申しますがわたくしは恥ずかしさに身が竦んだぐらいでございます。(同、p21)

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人間の真価は<なにを為したかではなく、なにを為そうとしたか>なのである。“A man’s reach should exceed his grasp, or what’s a heaven for?” 「reach(理想・志)」と「grasp(実際の成果)」の対比が核心であり、後世の多くの思想家や芸術家がこの詩を引用し、自らを鼓舞してきました。

2025年7月30日
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