2022年9月20日 火曜日 雨
馬渕睦夫 いま本当に伝えたい感動的な「日本」の力 総和社 平成24年(2012年)
造り変える力の源泉「和」と「共生」
・・日本が太古の昔より積み重ねてきた文明は、伝統的価値観である「和」の原理と「共生」の思想を核としています。すなわち、「造り変える力」の源泉は日本の伝統文化の価値観である「和」と「共生」にあるといえます。(馬渕、同書、p119)
・・個人の社会における役割を「和」の世界観から考えてみると、もっと奥深いものが見えてきます。 わが国における個人の位置づけは、単に周りとのしがらみのない単体的な個人ではなく、社会と不可分の一体を成す存在であると見做されている点に大きな特徴があります。すなわち、各々個人には社会の中で果たすべき固有の役割があり、その役割を遂行することによって社会全体の調和が保たれ、社会が全体として発展してゆくという思想です。このような社会にあっては、個人と個人の間も個人と社会の間も「和」が保たれることになるのです。(馬渕、同書、p124)
・・その各人の特性を十分に発揮することが各々の分を尽くすという意味なのです。各々の持つ個性の内容は異なっているので、互いに衝突することもありません。それぞれは他には決して同じものがない貴重な個性であるので、その個性の価値は皆等しく平等です。・・・(中略)・・・日本人の勤労精神は分掌分業という「和」の思想に基づいています。実は、この思想がわが国における資本主義精神を生み出す源流になったといえるのです。
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世界に先駆けた日本の資本主義
江戸時代の初期に、職業の倫理について探究した思想家がいました。鈴木正三(しょうさん)と石田梅岩の二人です。(馬渕、同書、p125-6)
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