agriculture

複数のやり方を採用してきたからこそ、植物は生き残り続けることができたのだ。

大場秀章 はじめての植物学:植物たちの生き残り戦略 ちくまプリマー新書193 筑摩書房 2013年

2015年8月13日 

類似した環境で生きるのに、植物はひとつではなく別のしかたをも試みているのである。その結果が私たちが目にする様々なかたちをした植物の存在なのだといってよい。では植物は何に適応しようとしたのだろうか。私はこれを陸上の光環境で効率よく光合成することへの適応であると考えている。・・・(中略)・・・光合成への適応もそうだが、生物の本質である継続的な増殖にかかわる種子の生産、散布、受粉などのあらゆる局面で、植物はほとんど複数のやり方を発達させることに成功している。複数のやり方を採用してきたからこそ、植物は大きな環境変動に何回も遭遇したにもかかわらず、生き残り続けることができたのだ。環境が変わっても生存を続けるわざ、これこそが多様性である。・・・(中略)・・・食べ物も、衣住もかなりの部分が植物の多様性の賜といってよい。(大場、同書、p178-180)

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