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日本では太陽の光で電気エネルギーの大半をまかなうのは難しい

2016年6月1日 水曜日 雨

武田邦彦 エネルギーと原発のウソをすべて話そう 産経新聞出版 平成23(2011)年6月8日 第1刷発行

(太陽電池が日本で)うまくいかない最大の原因は、水力発電やバイオエネルギーと同じように国土面積です。日本のように国土面積が狭く、人口が多く、1人当たりのエネルギー消費量が大きい国は、太陽の光で電気エネルギーの大半をまかなうのは難しいということに尽きます。(武田、同書、p92)

利用されていない土地というのは総じて太陽の光があまり行き渡らないところだという問題もあります。たとえば、森林でも南側の斜面は様々な形で利用されていますが、北側の斜面の利用率は低い。だからといって太陽電池を北側の斜面に設置すると発電効率が悪く、極めてコストの高い電気になってしまうのです。・・・(中略)・・・太陽電池も水力発電やバイオエネルギーと同じです。太陽の光を使って人間も動植物も生きていて、それが大きな循環でうまく回っているのですから、薄い太陽の光を使って膨大なエネルギーを得ようとし、その循環の一部を止めたり、横から奪おうとすると、人間も動植物も結果的に不都合を受けてしまうということです。(武田、同書、p93)

・・こういうできあがるまでのすべてのエネルギーと、太陽光パネルの最終的な発電能力との関係を比較しなければなりません。つまり、太陽光発電はその発電能力より大きなエネルギーをかけなければ設置できないわけです。・・・(中略)・・・ですから、太陽光パネルは補助金を出さなければ成り立たない。市場でビジネスとして成り立たなければ、やはりどこかおかしい、頼ることはできないエネルギーだと思ったほうがいいわけです。(武田、同書、p98)

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