2016年6月20日 月曜日 雨(断続的にかなり激しく降る)
竹内薫 ゼロから学ぶ量子力学 講談社 2001年
世の中すべては量子力学的にふるまう
量子力学的な調和振動子のエネルギーと波動関数
1)波動関数はガウス関数がかかっているので、誤差分布のような形が基本
2)エネルギー準位(level)は等間隔になっていて、ゼロ点エネルギーがある。
ガウス関数(釣り鐘曲線・ベルカーブ):平均値を中心に釣り鐘のような形になっている。この釣り鐘曲線が基本で、それに得るミート多項式がかかることによって、波動関数の山と谷ができあがる。(竹内、同書、p100)
世の中のすべては量子力学的にふるまうのです。量子力学の効果が無視できるときだけ、古典論を使って計算するのです。古典論は、量子論の近似なのですよ。(竹内、同書、p102)
電子の波動関数自体は複素数で無限次元の空間に住んでいるのですが、それを空間からみていると、波動関数の2乗にしたがって、電子が確率的に発見できるのです。(竹内、同書、p109)
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量子力学の本質は、微分演算子とか行列演算子といった具体的な演算子の格好ではなく、
[p,x] = px – xp = -iℏ
という交換関係にある。これを満たすような演算子であれば、早い話なんだっていい。(竹内、同書、p192より抄録)
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観測可能な物理量は、行列力学ではエルミート行列であらわされる。なぜなら、観測可能ということは、数学的には、固有値問題が解けるということであり、それは、いかえると、行列が対角化できるということであり、エルミート行列は必ず対角化できることが数学的に証明されているから。・・たとえば、運動量pは観測可能なはずだから、エルミート行列になっている。(竹内、同書、p193)
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場の量子論
場の量子論というのは、・・「場(空間の各点にスカラーやベクトルといった「数学的物体」が存在すること)」という概念と「量子論」を融合した理論なのだ。(竹内、同書、p193)
1)調和振動子 2)フーリエ変換
数学的には、この2つが場の量子論のポイントであり、これでエッセンスはつくされる。
量子力学を学びはじめると、かならず調和振動子が出てくるのだが、それには、いろいろな理由がある。第1に、調和振動子が簡単で典型的な例であること。第2に、調和振動は、さまざまな物理現象の背後に隠れている普遍的なものであること。たとえば、振り子の振動にしても、近似的には調和振動になるし、それどころか、ほとんどの振動現象は、振れが小さいときは調和振動で近似できるのだ。第3に、電磁場も、無数の調和振動子の集まりとみなすことができる。早い話が、物理学を学ぶ以上、調和振動子は避けて通ることができないのである。・・場というのは、そもそも、無数の小さな(無限小の!)調和振動子の集まりだと考えることができるので、それを量子的にあつかうことで、場の量子論になるのだといえる。(竹内、同書、p194-195)
フーリエ変換 座標空間vs波数空間
われわれは、関数f(x)をグラフにすることには慣れている。それは、座標空間でものごとを見る目である。
だが、量子力学には、別の視点が必要になる。それが、波数空間で関数を見る目である。「関数f(x)には、サインやコサインといった波の成分が、どのような割合で含まれているのか?」そういう視点でものごとを見るのがフーリエ変換なのである。(竹内、同書、p198)
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