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量子化とはなんぞや

2016年6月20日 月曜日 雨(断続的にかなり激しく降る)

竹内薫 ゼロから学ぶ量子力学 講談社 2001年

量子化とはなんぞや
 量子力学がふつうの力学とちがうのは、たとえば、粒子がうごいているような場合でも、その粒子そのものをあつかうのだはなく、その属性を間接的に扱う点にある。たとえば、粒子のエネルギーEとか運動量pにしても、あらかじめ決まった数値をもつわけではない。そのかわりに、ハミルトニアン演算子Hとか運動量演算子pという抽象的な「演算子」が波動関数ψにはたらきかけて、いくつかの固有値の候補が決まるのである。そして、いくつかの固有値の候補のうちのどれが現実のものとなるかは、観測してみないとわからない。観測の結果は、確率的にしか決まらない。・・・(中略)・・・ニュートン力学の概念はふつうの数であらわされるのに対して、量子力学では、エネルギー、運動量、位置といった運動量をそれに対応する「演算子」に置き換えるのである。この置き換えのことを量子化と呼ぶ。(竹内、同書、p74)

シュレーディンガー方程式に登場する波動関数ψは、波なのであるが、あくまでも粒子をあらわしている。・・・(中略)・・・粒子は、波とはちがって、エネルギーEとか運動量pといった特性をもっている。ルイ・ドゥブロイは、この一見、まったく関係がない特性どうしのあいだに、次のような関係があることを示した。

ドゥブロイの関係式
E = ℏω
p = ℏk
↑  ↑
粒子 波動

これは、電子のような物質が波の性質をもっているという意味で、「物質波」の仮説と呼ばれた。(竹内、同書、p75-76)

単なる数から演算子へと変身するのが量子力学の本質なんだ。(竹内、同書、p76)

量子力学の本質は、演算子どうしの交換関係なのです。量子力学とふつうの力学のちがいの1つは、交換関係がゼロにならない場合があることで、どれくらいゼロにならないかを示すのがディラックのℏなのです。(竹内、同書、p79)

ハミルトニアンは、おおまかにいって、運度エネルギーTとポテンシャルエネルギーVを足したもの(竹内、同書、p83)

固有値問題というのは、演算子を関数にはたらきかけた場合、特定の関数の場合には、はたらきかけの結果がふつうの数になること。固有の関数の場合、固有の実数になる。だから、固有関数とか固有値というわけ。(同書、p90)

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プランク定数 プランク定数 = 6.62607004 × 10-34 m2 kg / s

ディラック定数 ウィキペディアによると・・・
換算プランク定数(かんさんプランクていすう、reduced Planck constant)またはまれにディラック定数 (ディラックていすう、Dirac’s constant) は、プランク定数 h を 2π で割った値を持つ定数であり、
ℏ\hbar (ℏ Unicode U+210F、JIS X 0213 1-3-61)で表される。 ℏ\hbar は「エイチ・バー」と読む。

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補注 お断り
数式をウェブのページに書き表すのには、LATEXなどのソフトを使用するとのことであるが、今のところセットアップできていません。そのため、数式を「読書ノート」にきれいな形でアップすることができないでいます。ご了解ください。将来、必要に迫られ、時間にゆとりがあれば、LATEXなどを使いこなせられたらと考えております。

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