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光合成系のミネラル vs 防御系ミネラル

2016年1月25日 曇り

小祝政明 有機栽培の果樹・茶つくり 小祝政明の実践講座4 農文協 2011年

光合成系のミネラル
苦土、鉄、マンガン、銅
1)苦土: 葉緑素の中核物質、不足すれば光合成能力が低下。下葉から黄化し、葉にテリ・つやがなくなり、水を弾かなくなる。雨水などの水滴が長く葉の上に残り、病原菌の増殖に都合の良い条件になってしまう。
2)鉄: 光合成で利用する二酸化炭素を取り入れるときに必要で、不足すると上位の葉が薄くまだらになってくる。葉を日にかざしてみると、薄くなっているところがよくわかる。その箇所の光合成が低下し、表皮が薄くなってしまっているのだ。
3)銅: 葉緑素の形成にかかわっているので、不足すると光合成が低下する。防御系のミネラルでもある。

防御系( 表皮を強くする)のミネラル
表皮を強くするミネラル 石灰、ホウ素、ケイ酸、銅
1)石灰: 細胞膜を強化し表皮を強くする。生育を締める働きがあるので、病害虫に対する抵抗力を高めてくれる。
2)ホウ素: 石灰と組んで細胞の接着剤の役目をする。表皮をしっかり強固なものにしてくれる。ホウ素が不足すると、幹割れが多くなったり、樹液が出る。(小祝、同書、p110-111)

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有機栽培で使う三つの資材
1.細胞型肥料: 細胞づくりに使われる肥料
2.繊維型肥料: 繊維づくりに使われる肥料
3.堆肥: 土を軟らかくして根張りを良くし、細胞型肥料と繊維型肥料をバランスよく吸収できるような土にする。土壌団粒をつくる力は堆肥の水溶性炭水化物に由来する。繊維は炭水化物であるので、堆肥は窒素をあわせもつ繊維型肥料に分類することができる。

肥料のバランスと優先順位
農薬を使わなくてすむように樹や表皮を硬くする繊維型肥料をいつも一定レベル以上で吸収できる状態にし、そのうえで、枝や果実の生長を促す細胞型肥料を効かせることがポイント。(以上、小祝、同書、p113より抄録)

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