mathematics

予測のはなし

2016年3月27日 日曜日 晴れ

大村平 予測のはなし 改訂版 日科技連 2010年 (旧版は1993年)

過去の傾向を調べ、それを未来へ延長して未来の姿を予測するのが、予測の基本です。・・しかしながら・・私たちが社会生活の中で予測の対象となる現象は、まさに多種多様です。とくに、既知の情報で未知の情報を推し測ることを「予測」と拡大解釈するなら、問題解決のために使われるほとんどの手法が予測であるといっても過言ではないくらいです。(大村 予測のはなし 改訂版 p136)

たくさんの要因が複雑にからみ合っている社会現象に科学的なメスを入れる手法の一群は多変量解析と呼ばれています。その中の1つが重回帰分析であり、重回帰を利用していくつかの要因どうしのからみあいを解析するための分析法です。・・重回帰分析を予測への応用という視点からとらえて、ご紹介して参りました。(大村、同書、p148)

変数が多くなればなるほど使いにくい回帰式になってしまいます。そのうえ、「予測」に期待する精度は・・もともとそれほど高くないのですから、僅かばかりの精度の向上をねらって変数の数を増やすのは「益すくなくして害おおし」なのです。つまり、予測に使うという立場からみれば、変数は少なければ少ないほど、そして、データを入手しやすい変数に限定されているほど、実用的な価値が大きいと言っても過言ではありません。・・・回帰方程式は予測値と実現値の相関がもっとも強くなるように変数に重みづけして混ぜ合わせるのですから、同じように変動する2つの変数はそれぞれ別個の人格としては扱ってもらえないのです。・・採用しても意味の薄い変数は、回帰方程式を作る前に切り捨てることをおすすめします。(大村、同書、p155-156、p157)

*****

**********

RELATED POST