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1940年の日本は、石油と鉄鋼の75%をアメリカに頼っていた。アメリカは、最後に絶対に日本がのめない要求を突きつけ、石油と鉄の禁輸を行った。

2022年8月20日 土曜日 小雨

武田邦彦 ナポレオンと東條英機 ベスト新書501 KKベストセラーズ 2016年

・・1930年代の終わりから、アメリカは日本と戦争する謀略作戦に入っています。・・アメリカが戦争するときには、まず「自分が始める戦争が正義であり、相手が始めたように形式を整える」というところから始めます。(武田、同書、p195)

(1940年頃の日本は)、敵国アメリカを信頼して基礎工業原料を求めていた。(武田、同書、p194)

(1940年頃の日本は)、石油や鉄鋼(くず鉄が中心)などの産業上の主要原料の75%をアメリカに頼っていた。(武田、同書、p187)

最後に絶対に日本がのめない要求を突きつけ、石油と鉄の禁輸を行う。(それまで日本にはアメリカが友好国であると思わせておき、邪悪な考えを悟られないようにし、日本には石油と鉄を輸出する。)(武田、同書、p196)

 ・・戦うもまた亡国であるかも知れない。  すなわち戦わざれば亡国必至、戦うもまた亡国を免れぬとすれば、戦わずして亡国にゆだねるは身も心も民族永遠の亡国であるが、戦って護国の精神に徹するなれば、たとい戦い勝たずとも祖国護持の精神がのこり、われらの子孫は必ず再起三起するであろう。(武田、同書p193) 「進むも地獄、引くも地獄。しかし、魂を屈して退けば日本人の魂が破壊されて二度と再び立ち上がることはできないだろう。それより進んで破滅したほうが魂が残るから、日本は再び繁栄する(武田、同書p198)(永野修身軍令部総長の御前会議での発言、1941年)

日本が大東亜戦争を始めたのは、このような細かいアメリカの対日政策が直接の引き金を引いたのですが、大きく見れば「白人が有色人種を意のままにして良い。それが白人の秩序だ」と言うことに対して、日本が「人種差別撤廃」の立場を貫けば、やがて戦争になるに決まっていました。(武田、同書、p198)

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・・もう一つは、白人の秩序が崩れていくという大きな歴史の流れの中にいた日本人、その主役を演じている日本人が歴史の必然を感じて、それに身を委ねたのではないかということです。すでに白人の秩序が崩れて新しい時代になったときに生きている現在の私たちと、当時、白人の秩序の中で繰り返しプライドを傷つけられていた日本人では「戦争」というものに対する感覚が異なっていたのは頷けることです。(武田、同書、p206)

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