biography

Dawkins, An Appetite for Wonder

2015年1月30日 金曜日

Dawkins, ‘An Appetite for Wonder: The Making of a Scientist‘, Harper Audio, 2013

右膝関節が痛むので、今日もトレーニングは休むこととした。残念。これも焦っても逆効果なので、勉強に今日一日を捧げることで償う。

リチャード・ドーキンスの ‘An Appetite for Wonder: The Making of a Scientist‘ unabridged Harper Audio, 2013. を今夕から聴き始める。CD 7枚、約8時間。

CDのジャケットには、 A memoir by the author of The Selfish Gene and The God Delusion と書かれている。この2冊がドーキンス氏の主著であることはファンとして深く肯ける。私もこの2冊がとりわけ好きである。そしてこれからも何度でも読み返して理解を深めたいと考えているオールド・フィデル・ファンなのである。

1枚目は、祖先の話から、リチャード2歳まで。お母さんのジーンといっしょにお父さんのジョンと別行動でケニアをあとにして南アフリカ方面へ向かうところまで。ファミリーの歴史を聴けることで1900年前後のイギリスのとある一族の暮らしが具体的にわかる。母方のお祖父さんはマルコーニの電信の技術に関して30年代から50年代の代表的な教科書のようなものをものされた。父方のお祖父さんもシェイクスピアを読む学識深い人、父はピーター・メダワーとぴったり同時代でオックスフォードで同じ教授の講義を同じ教室で受けたはず、博物学の学者を輩出している家。コロニアル時代のケニア、第1次大戦(ドイツ対イギリス・ベルギー[ケニアの隣はあのレオポルト2世のベルギー領コンゴ])でも次の第2次大戦(イタリア対イギリス、ただしアフリカでのイタリアは余り強い戦いは行わなかったようだ)でも戦場になったアフリカのこと。身近なライオン・フラミンゴ・サソリなどの動物のこと。(今日のヒアリングでは聞き間違えがあるかもしれず、気がつけば追って訂正します)

何冊ものドーキンス本のファンたちなら誰でも知っている進化の知識の応用編が随所にちりばめられており、それらがユーモラスな語り口で語られ、聴いていてほのぼのとしてくる。ファンクラブにはいっていてよかったとしみじみ思う、お年玉プレゼントCDといってよいだろう。

ララ・ワォード奥さんの朗読は1枚目の後半、ジーン母さんの台詞のところから入ってくる。ここでも二人の朗読はぴったり息が合っていてほほえましい。

リチャード2歳は、孤独で寡黙な虫めずる博物学者の卵というよりは、言葉の達者な人付きの良いお子様だったとのジーン母さんの証言。将来花開く言葉遣いの深さ巧みさは、栴檀は双葉より芳しないし三つ子の魂百までということだろうか。そういう分類からいうと、私はむしろ寡黙に蟻や蟹の行動を観察研究する博物学者の様相を呈する3歳児だったと故冨子叔母さんの証言から思い返したりする。朗読中にそんなことを考えるので、聞き間違いが起こるのである。CDの2枚目以降は虚心で傾聴続けることにしよう。

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2015年1月31日 晴れ disc 2 聴了。

disc 2: 南アフリカでの幼年時代、イギリスへの一時帰国、再び南アフリカでの少年時代。お母さんの日記。火事、落雷、飛行機体験。1949年、8歳でイギリスへ帰国。帰国の客船での出来事、赤道を越えるときのお祝いのお祭りの時のジーン母さんの仮装、荒波。ジョン父さんは植民地の農務省の仕事を辞めて、親戚から相続したオックスフォードシャーのファーム経営へ。大好きだったドリトル先生。宇宙船に乗って冒険する少年の遊びの世界。そして、リチャード13歳、プレップ寄宿学校(パブリックスクール)へ。

同時代の日本の子供たちが、原爆と敗戦からスタートしなければならなかったのに比べて、戦勝国イギリスの子供たちは恵まれていてうらやましいと思う。しかし、私たちはこんな幸せな子ども時代のお話を聞いて、妬むのではなく、自分たちの子供たちをこんな風に幸せに育てるべく、できる限りの愛情を子供たちに注いでゆけばよいのだ。

ドーキンス氏の発言: ドリトル先生には人種差別思想が感じられると非難する向きもあるが、ドリトル先生には anti-species-ism 種非差別主義思想がある。私も同感。10〜11歳頃の私の愛読書。anti-species-ism はドーキンスさんの造語か? 綴りがわからないので、私なりに綴ってみた。種非差別主義 = 種平等主義 は私の訳語。シュ sh-sh の発音に関しては聴き取りにくく同音異義語もあり、朗読に不向きな訳語となっている。要改善。

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2015年2月1日 快晴(青空そして月明かり)ところにより吹雪(札幌西と苫小牧西の間で道央自動車道は閉鎖)

ドーキンスさんの朗読で disc 3 を聴きながらパソコンでノートをとってみた。綴りも自信なければ、冠詞の選択・単数複数の区別、すべて不確かであるが、しっかりと聴こうとしていた証拠としての読書ノート。

リチャード13歳、寄宿学校での日々、そして父母のもとで過ごす休暇。恵まれた13歳。50年前ではあるが、貧しい出自のジョージ・オーウェルの寄宿学校時代、その苦しい思い出話と好対照をなしている。オーウェルをはさんでさらに50年前のデイヴィッド・コッパーフィールド氏(ディケンズ)とドーキンス氏とは100年の時間差があるがほとんど同じような寄宿学校の思い出・記述が続く。

disc 3
13 y.o., 1954
critical, skeptic
to demand evidence
confirmed? (parents)
gentleman farmer (father)

Chapter 7
holiday, the dirty old Land Rover (cheaper than Jaguar)
family traditions
photographic presentation (father)
spongebugs (father to mother)
ceaselessly creative mind (father)
tractors
organic farming
barley binder
good fellowships (mother & father)
slashing machine
juvenile fictions
Treasure Island (Stevenson)
Arthur Ransome
elder brother (Mike, now, brother-in-law)
uncle Bill
young David Attenborough

Chapter 8
Andrew
Shkespeare, Henry IV, Henry V
mathematics
cruelty of children
science master
Boyle’s law
11 houses, house personality
tribal human impulse
group they belong to
a boy of African origin
group label
bell boy

脚注:
1.Boyle’s law: ボイルはオックスフォード在住だから、理系のリチャード少年にとっては郷土の偉人といってよい。思うに17世紀、リチャード少年1954年よりも300年前ぐらいか。国王でさえいぶかる研究課題、すなわち「空気の重さを計っていた」ボイル。ガリバー旅行記(1700年頃)のラピュタ編ではさまざまの奇妙な科学者が描かれるが、スイフトのターゲットとする多くの科学者の中でもボイルはピカイチ。ただし稀に見るホンモノ。
2.君の瞳はスポンジバグ? 褒めているのか茶化しているのか意味不明瞭。spongebug に関してグーグル検索でも引っかかってこない。博物学者のお父さんならではの美しいアナロジーか? もしかすると、未熟な私のとんでもない聞き間違いかも。解決したら追って訂正します。2015年2月1日 日曜日

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