2020年11月11日 水曜日 曇り
中谷(なかたに)功治 ビザンツ帝国 千年の興亡と皇帝たち 中公新書2595 2020年
・・ユーラシアの歴史では、国が滅びるのはいたって普通の現象であった。たとえばロシアであれ、インドであれ、エジプトであれ、大半の国や王朝は外からの侵入者に苦汁をなめたり、亡国という事態にいたったりした。その結果、征服者と先住民族との対立や融合が繰り返され、文化は複雑化・重層化していった。当然のことながら民族構成や境界線は複雑に変化した。一国の歴史がほぼ一直線に通史として語れるのは、世界の歴史では例外に属するのである。・・・(中略)・・・「文明の十字路」に位置していたビザンツ帝国も、ユーラシアにおける国家・王朝の興亡史の真っ只中にあり、栄枯盛衰の果てに滅亡したと言えるのではないか。つねにそのような危機と直面しながら、千年続いたことの意義を噛みしめる必要があるように思う。(中谷、同書、p258-259)
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