2016年3月31日
呪語としての「見ゆ」は終止形を受ける形。
「面影に(見ゆ)」「夢に(見ゆ)」は副詞形に続くもので、その文法も異なり、すでに異質の語である。
「万葉集」中の「見ゆ」はすべて約五十五例、初期と後期とにおいて截然(さいぜん)たる用法上の区別があり、ときに後期に古代語としての用法があるものは、新羅派遣使や家持の国巡り歌など、用語意識の上に明らかに初期の用法が意識されているときに限られている。(白川、後期万葉集 中央公論社 1995年、p35)
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