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ドストエフスキーと父親殺し/不気味なもの

2017年10月7日 土曜日 曇り時々雨

フロイト ドストエフスキーと父親殺し/不気味なもの 中山元・訳 光文社古典新訳文庫 2011年(原著は、「ドストエフスキーと父親殺し」1928年、「不気味なもの」1919年)

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・・この賭博への情熱は、何度決意してもやめることができず、自己処罰の機会を与えるものとなったのだった。それが思春期のオナニー強迫が再現されたものであったと考えるならば、この賭博熱がドストエフスキーの生涯でこれほど大きな場所を占めていたことは、まったく不思議ではないのである。(同書、「ドストエフスキーと父親殺し」p274)

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この言葉はそれだけでは理解しがたいものだとしても、オリンピアとナターニエルの内的な同一性を示すものと考えれば、その意味が理解できる。オリンピアはいわばナターニエルのコンプレックスを分離して、人物像として示したものなのである。(同書、「不気味なもの」p205)

補註: 自動機械の人形オリンピア: E.T.A.ホフマンの「砂男」から。主人公が大学生ナターニエル。

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