2017年11月8日 水曜日 曇り一時雨
矢部宏治 知ってはいけない 隠された日本支配の構造 講談社現代新書2439 2017年
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ほかの国の軍事協定を読んでいるとよくわかるのですが、主権国家にとって「他国の軍隊が自国の国境を越えて移動する権利」というのは、なにょり厳重にコントロールしなければならないものなのです。(矢部、同書、p75)
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「対米従属」の根幹:
「対米従属」の根幹には、軍事面での法的な従属関係がある。
つまり、「アメリカへの従属」というよりも、それは「米軍への従属」であり、しかもその本質は精神的なものではなく、法的にガッチリと押さえこまれているものだということです。(矢部、同書、p94)
まさに「ブラックボックス」
日米合同委員会の本質とは、占領時代から続く基地の使用権や治外法権など、米軍が持つ巨大な特権を、どうすれば日本の国内法のもとでトラブルなく維持していくかの調整機関です。(矢部、同書、p98)
「地位協定」=「行政協定」+「密約」(矢部、同書、p118-119)
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砂川事件の結果、起こったこと
「安保条約のような重大で高度な政治性を持つ問題については、最高裁は憲法判断をしなくていい」・・「日本版・統治行為論」(1959年12月16日・最高裁判決)(矢部、同書、p148-150)
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突然の朝鮮戦争によって生まれた「占領下での米軍への戦争協力体制」が、ダレスの法的トリックによって、その後、六〇年以上も固定し続けてしまった。(矢部、同書、p248)
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・・遠く離れた場所(沖縄、福島、自衛隊の最前線)で大きな矛盾に苦しむ人たちの声に真摯に耳を傾け、あくまで事実に基づいて、根本的な議論を行うときにきていると私は考えます。(矢部、同書あとがき、p260)
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なぜ、9条3項・加憲案はダメなのか
・・憲法9条は・・・(中略)・・・1952年の独立後は、日米安保条約とセットで存在しているものだからです。・・・(中略)・・・この①から④までの四つの問題を解決しないまま、憲法で自衛隊を容認してしまうと、・・「米軍による日本の軍事利用体制」の完成です。(矢部、同書、p259-260)
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