agriculture

地球生態学:鳥は物質循環の原動力

槌田敦 「地球生態学」で暮らそう ほたる出版 2009年


干鰯によるはげ山・荒れ地の緑化

 ・・この干鰯(ほしか)の利用で、柴刈りは廃れ、山の傷みは少なくなった。しかし、これだけでは山の森林は回復しない。はげ山は養分が足りないからはげ山なのである。

 森林を豊かにすることは木を植えることだと誰もが考える。だが、木を植えても、土壌が痩せていれば育たない。そこで、木を植える前に、土壌を豊かにすることが必要である。この土壌を豊かにする作業は誰も気がつかない方法、つまり無意識でなされた。

 干鰯を投入した田畑には虫が発生する。サギやムクドリなどがやってきてこれを食べ、山に帰って糞をして山に養分を引き上げた。農民が高価な肥料を買い田畑に入れたのに、鳥に泥棒された。しかし、この養分により農村周辺の多くのはげ山は自然の循環の豊かな雑木林に変わったのである。・・・(中略)・・・

 このようにして木が育つと、ますます鳥が寄りつくようになる。そして何百年かの後には、岩山や岩島は森林になる。このように重力に逆らって物を運び上げることが物質循環の原動力になるのである。(槌田、同書、p160-161)


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