2022年2月15日 火曜日 曇り
神野正史a 戦争と革命の世界史 だいわ文庫 2016年
神野正史b 暗記がいらない世界史の教科書 2020年
神野正史c 世界史劇場 天才ビスマルクの策謀 鉄血宰相はいかにしてヨーロッパの国際関係を操ったのか 2020年
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海を隔てた“東の果て”日本の場合
・・日本でも1万2000年〜1万年前に温暖期と寒冷期を繰り返す時代を経験し、森も生態系も激変していきます。・・植林して森の密度を高め、老木から苗木に植え替えることで安定的にクリを得る体制を構築します。・・遠隔地貿易も行われるなど、かなり豊かで文明的な暮らしぶりが窺い知れるようになってきました。
植物の栽培・定住・大規模な集落・土器・余剰物資の交易、これらの特徴は「農耕社会」のそれを示しており、このころのクリ栽培は「農業」とは位置づけられていませんが、農業というものはその土地土地の環境に応じて栽培品目が定まるものであって、それがオリエントの場合は“麦”、アメリカは“トウモロコシ”、そして日本は“クリ”だっただけであり、その意味ではオリエントの農業に相当するものです。
このように、日本は四季折々の豊かな自然に恵まれ、そこから充分な糧を得ることができたため、日本人は典型的農業(穀物栽培)に移行することなく、大陸文化とはまったく異なる歴史を歩むことになったのでした。(神野b、p38〜39)
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補註 神野a&b・・大づかみに理解する世界史の本。良い本だと思います。
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