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「証明」の分類

2016年6月10日 金曜日 曇りのち晴れ

大村平 美しい数学のはなし 数学は科学の女王 上巻 日科技連 1997年

さて、証明の本質は演繹的推論の連なりではありますが、推論の仕方にはさまざまなスタイルがあります。「証明」の分類が普遍的に確立されているわけではありませんが、だいたい、つぎのような感じでしょう。

証明:
 直接的証明
    三段論法の連なり
    数学的帰納法
    すべてのケースを確認
 間接的証明
    背理法、転換法
    同一法、対偶法、その他
(大村、同書、p214)

さて、三段論法にこだわったのは、ほかでもありません。数学的帰納法とか背理法のように特別な呼び名がついている証明法以外のふつうの証明は、ほとんど三段論法や、その応用の連なりなのです。(大村、同書、p215)

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転換法:
 仮定が3つ以上に分類されていて、本命以外をすべて否定することによって本命の正しさを証明する。

cf. 背理法では、仮定を2つに分類し、一方を否定することによって他方を証明。

もちろん、分類が、あり得るすべてのケースを網羅するとともに、互いに独立排反でなければならないことは、背理法の場合と同じ。(大村、同書、p229)

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証明の変わり種
 「n個の部屋にn+1人以上を入れると、2人以上の部屋が必ずできる」という当たり前の法則は部屋割り論法とか鳩の巣原理などといわれています(大村、同書、p229)

XであればYであり、Yが1つしかないときは、YはXであるとする証明法を、同一法という。(大村、同書、p231)

対偶法
 命題の対偶同士が常に真偽が等しいという性質を利用(大村、同書、p232)

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実際の数学では、これらの証明法を変形したもの、混用するもの、どれにも属さないものなど、多くの証明法がくふうされ、使われています。なにごとについても同じですが、数学の証明についても、定石は心得たうえで、柔軟に使いこなしたいものです。

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