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ウェブスリー: ブロックチェーンが実現する自立分散型のデジタル基盤

2023年1月9日 月曜日 雪

馬渕睦夫・松田学 日本を危機に陥れる黒幕の正体 宝島社 2022年

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 「多様性と包摂性」という言葉の犯罪性

 ・・「包摂」という言葉は本来の日本語ではありません。  これは東京オリンピックのい標語です。英語の「ダイバーシティ&インクルージョン」です。日本では「多様性と調和」と訳されていますが、これはごまかしです。  インクルージョンとは何か、はっきり言えば、LGBTの人を軍隊に入れるということなのです。アメリカでオバマ大統領がLGBTの人を軍隊に入れるために言い出した言葉です。2011年の「連邦政府職員の多様性と包摂性(diversity and inclusion)」を促進する大統領令で、LGBTの米軍への入隊を承認し、さらに、LGBTをヒーローとまでもてはやしました。それをそのままオリンピックの標語にしたのです。  そのような意味の言葉を、岸田首相は国会で堂々と演説しています。その真意を疑います。  「包摂社会を実現」を具体的に言えば、自民党が進めているLGBTの理解増進法案のことです。(馬渕、同書、p211-212)

 ・・(包摂という言葉は)日本の社会の根幹を壊す言葉なのです。

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 現在、日本には、こうしたプラットフォームがないので、GAFAにすべて独占されています。だからこそ、次の局面となる「WEB3.0」(ウェブ・スリー)では、日本が独自のプラットフォームをつくり、GAFAなどから独立したデジタル基盤を構築しなければならないと思います。  ウェブスリーとはブロックチェーンが実現する自立分散型のデジタル基盤です。・・特定のサーバーに情報が集中することがない、まさに自立分散型で構築される世界になります。・・ブロックチェーンはまだ黎明期(れいめいき)の技術です。これをさまざまな分野や地域などのコミュニティで社会実装していくことで、社会的課題を解決していく。そこに、それぞれの課題解決のあり方に応じて、多種多様なイノベーションを起こしていくことができます。ブロックチェーンは日本人の国民性にもぴったりの技術です。  設計そのものが分散型ですから、どこかの国や権力機構が中央集権的に支配することはありません。各国がグローバルプラットファーマーには支配されない、それぞれ独自のブロックチェーン基盤を作っていく。そしてそれらが連携していく。  アメリカの共和党筋もそのようなことを考えているようです。将来、各国のナショナリストどうしで国際的な連携をすすめていこうと考えています。(松田、同書、p216-217)

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国民経済を取り戻す ・・

  ・・技術のコアになるところにはものすごくお金がかかります。だからこそ、政府が予算を支出しないとできません。兆円単位のお金を惜しみなく出すぐらいの基礎研究が必要になる分野です。

  ・・同じお金を使うのであれば、コア技術をとるべきです。そこに予算を振り向けなければなりません。これは国にしかできないことです。  ところが、これも新自由主義の弊害といえますが、財政も金融も「規律」を重視するあまり、公的な資金ですら、何年後に収益性が見えないとお金が出ないということになっています。日本には優れた研究者がたくさんいますが、このことが壁になって、彼らの志が実現していないという実態があります。いったい、なんのために政府があるのかという思いです。  コア技術の部分を日本がとれば、外国から締め付けを受けても大丈夫になりますし、グローバル勢力とのディールの武器にもなります。その発想が不足しています。頭がグローバリズムに侵されています。(松田、同書、p230)

補註: ここでは主に半導体などのIT関連技術分野の話であるが、コア技術を採るべき分野として、医療や医薬創薬の分野も大切である。せっかくの日本で生まれたコアのための技術を、海外の巨大製薬会社(いわゆるビッグファーマ)が資金力にモノを言わせて(つまり札束で頬を叩いて・・)、ごっそり収奪してしまうという事例は、非常に嘆かわしいことと痛感している。

医療や創薬の方面でも「国民経済を取り戻す」・・これまた今では難しくなっている。

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