縄文文化の大規模集落

2019年3月5日 火曜日 晴れ


山田康弘 縄文時代の歴史 講談社現代新書 2510 2019年

時には竪穴式住居跡が一〇〇棟以上、土坑が数百基以上も検出されることのある東日本の縄文集落と比較すると、どうしても中国地方の集落が小規模であることは否めない。(山田、同書、p302)

世界各地の先史時代遺跡を比較した場合、東日本の縄文文化の大規模集落の方が特殊なのだ。少なくとも、農耕開始以前の経済段階において、このような集落構造を持ち、多様な精神文化を育んだ文化は世界史的にも非常に希有な存在なのである。(山田、同書、p302)

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ある程度の人口を抱えた定住生活を長期にわたって継続していくためには、・・移動生活におけるメリットを移動・分離・分散以外の方法で解決していかなければならない。たとえば、廃棄物(生ゴミ・排泄物等)の処理の問題である。(山田、同書、p304)

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小規模集落・少人口下における精神文化

 私たちは社会や文化の発展を、大きな建物がある、あるいはモノがたくさんあるといった、量的な見地から測ることが多い。だが、それは限られた一面的な見方である。ない・少ないという意味も合わせて考えるべきなのだ。土偶や石棒などの呪術具の数が多いということは、それだけ当時、それが必要とされた場面があったということにほかならない。物理的・精神的な不安がいっぱいあるがゆえに多くの祈りを捧げなければいけない生活と、不安を移動などの方法によってすみやかに解決し、祈る必要のない生活。どちらの方がより「人間的に豊かな生活」であると、読者の皆さんは思われるだろうか。・・・(中略)・・・ 縄文時代・文化の研究は、人類の来し方・歴史にはさまざまな道筋があったことを、改めて教えてくれるのだ。(山田、同書、p306-307)

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画像はウィキペディアより引用(以下も同じ)

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縄文時代と現代を比較し、縄文時代をある種の「楽園」「ユートピア」として語ろうとする論調の中では、しばしば「極端に少ない人口」という観点が抜け落ちている。(山田、同書、p323)

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