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ドイツ傭兵 ランツクネヒト(Landsknecht): 傭兵の二千年史

2020年12月10日 木曜日 曇り

菊池良生 傭兵の二千年史 講談社現代新書1587 2002年

・・ドイツ傭兵、ランツクネヒト(Landsknecht)はスイス傭兵とは違い出稼ぎではない。出稼ぎには帰る故郷がある。ところがランツクネヒトはひとたび傭兵稼業に手を染めると、だいたいが故郷から冷たく締め出される。傭兵契約期限が切れ、隊が解隊されると彼らはたちまち干上がってしまう。・・帰る故郷とてない除隊兵士は、乞食、行商人、旅芸人、鋳掛け屋、ロマ(ジプシー)といった階級秩序の外側で暮らす非定住社会に身を置くしかない。彼らは諸国を放浪し、無銭飲食、盗み、追いはぎ、放火、人殺し、略奪をくり返し、その眼にすさんだ陰険な光を宿すことになる。そしてどこかで傭兵部隊の募兵があると聞くと、いまとなっては娑婆ではまっとうに生きることができなくなったこれら除隊兵士が先を争って募兵に応じるのだ。・・兵士たちにとってランツクネヒト部隊が故郷となる。(菊池、同書、p104)

ゲオルク・フォン・フルンツベルク(Georg von Frundsberg, 1473年9月24日 – 1528年8月20日)は、神聖ローマ帝国のカール5世に仕えた軍人。ランツクネヒト(ドイツ傭兵師団)の生みの親で、後に「ランツクネヒトの父」と呼ばれた。

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『五人のランツクネヒト(Die fünf Landsknechte)』Daniel Hopferによるエッチング。16世紀前半。

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