culture & history

人口から読む日本の歴史

2020年12月24日 曇り時々雨


鬼頭宏 人口から読む日本の歴史 講談社学術文庫1430 2000年(1983年『日本2000年の人口史』の改訂版)


日本列島の人口は、過去一万年間に四回の成長と停滞を繰り返しながら、波動的に増加してきた。・・人口は自然環境の変動によって影響を受けるとともに、文明システムの転換や国際関係の変化とも密接に関連していた。新しい文明システムの展開は、食糧生産力の向上と居住空間の拡大を通じて、社会の人口支持力を増大させる。人口が増大を続けて、環境と文明システムによって決められている人口支持力の上限に近づくと、なんらかの規制要因が働いて人口成長はブレーキをかけられ、やがて停滞せざるをえない。人口が長期にわたり持続的に成長する局面は、文明システムの転換が生じた時代であった。反面、技術発展にとって人口圧力の高まりが不可欠である。人口支持力の上限まで人口が近づくと資源・エネルギーと人口とのあいだに緊張が高まり、生存をめぐってさまざまな問題が発生するであろう。このように人口圧力が大きくなったとき、社会内部における技術開発や外部文明からの技術移転が強く促され、その結果として文明システムの転換が起きると考えられるのである。(鬼頭、同書、p253-254)


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