2021年2月24日
上野誠 おもしろ古典教室 ちくまプリマー新書 2006年
・・歴史とは過去との対話と割り切るE.H.カーの思想や、古典を実感する研究方法を模索し続けた折口信夫の影響が強いことは、見ての通りである。過去と無縁の現在などどこにも存在しない。だから、今を生きるために過去に学ぶべきである。しかし、大切なのは過去ではなく今と自己である、という本書のドグマの出所もそこにあることは否定しない。・・・(中略)・・・ならば、わたしにできることは何か? 自分がおもしろいと思うことを全身全力で伝えることしかないようだ。古典おもしろ主義の授業である。後は、彼ら(=高校生)の判断に任せるしかない。時にピエロのようにも見える自分を励ましながら、わたしは今日も教壇に立つ。(上野、同書、p158-159)
**
補註210224付け: 以前に読んだものを再読。調べてみるとこの読書ノートでも「2020年6月19日 金曜日 曇り」付けで掲載していた。抜粋箇所もほぼ同じ(恒心あれども進歩に乏し)。認知症を疑われると心苦しいので、ここに、それを認識していることを書き添えているわけである。ただ、読書百遍意自ずから通ずともいうから、たとえ高校生向きの入門書であろうと再々読んでいけないはずもなかろう。
さて、認知症ということでは、米国のバイデン氏の認知症がいよいよ取り沙汰されるようになってきた。http://www.tanakanews.com/210223biden.htm また、バイデン氏の署名が本人のサインではなく、奥さんの筆記になっているとの記事もでた。(This is Odd: Joe Biden’s Signature on Latest Official Documents Is Raising Eyebrows) 「覇権国である米国のバイデン大統領が認知症で、側近たちが勝手に政策をお手盛りしている疑惑がしだいに増しているが、それは同盟諸国の全体にとってとても危険な事態だ。http://www.tanakanews.com/210223biden.htm(田中宇さんの記事)」・・私もそう思う。コロナ=疫病騒ぎを理由に、諸外国の首脳や国内の人民にも直接は、当分の間、会わない予定、とのこと。電話にも出ない(副大統領が代理)。こんな大統領が今までいただろうか? 「バイデンの認知症の疑いは、ずっと前から存在していた。認知症の疑いがある人を大統領にすべきでない。民主党の上層部もそれはわかっていたはずだ。なのにバイデンは、認知症がひどくなっていたといわれる昨年、大統領選の民主党の統一候補になり、(不正)選挙で大統領になった(演説が下手で、コロナのせいにして公的な場に出てこないバイデンが史上最多の得票というのは明らかにおかしいが)。・・・なぜ民主党は認知症(疑惑)のバイデンを統一候補にしたのか。」・・私も不思議でならない。
**
それは、さておき・・上野さんのお喋りと、兼好法師の屁理屈に耳を傾けてみよう。
牛を売るものあり 徒然草第九十三段 (上野、本書、p40、p140)
屁理屈か、人生の真実か、それが問題だ(同、p42)
人皆生を楽しまざるは、死を恐れざる故なり。(同、p45)
死を憎まば、生(しょう)を愛すべし。存命の喜び、日々に楽しまざらんや(同、p47)
「存命の喜び」=「生きていまある喜び」(同、p47など)
*****
*********************************