読書ノート

Good-Bye Germ Theory: Ending a Century of Medical Fraud

Good-Bye Germ Theory  By  cover art
Good-Bye Germ Theory

2022年3月24日 木曜日 曇り

補註: この Good-Bye Germ Theory は、若干微妙な本。それでも全体としての内容自体は興味深く、最後までオーディオブックにて聴き通してしまった。

・ Germ Theory に関しては、この本ではほぼ全面的に否定的な扱いがなされているが、私としてはこれには賛成できない。それぞれの病気の病態で個々に考えて整理していくべきであろう。

たとえば、著者は Germ Theory が全く成り立たない例として、AIDS といわゆる HIV-Germ Theory を持ち出して論じておられる。そこまでの議論は正しいのである。が、だからといって他の病気に関して Germ Theory が当てはまらないという論理にはならないのである。AIDS 以外の病気に関して、一緒くたにして論じてはならない。つまり、繰り返しになるが、それぞれの病気の病態で個々に考えて整理していくべきであろう。

・本書の後半は、いかにして合法的に(危険な)ワクチン強制からわが子を守るか? という具体的な課題に対して、アメリカ合州国 Constitution とその Amendments を持ち出しての詳細な法的議論となっている。この本が書かれたのは、かなり前の年代であり、オーディオブックも2018年12月20日の出版であるが、まるで2020年末の新型コロナワクチンの職域などにおける強制接種事態を先取り予見していたかのような議論であった。このようなジャンルの本で議論がこの方向に進展していくことに関しては私にとっては想定外であり、興味深かった。が、一方で、科学者としての私にとっては、とても奇異な方向の議論に感じられた。ワクチンを接種すべきか否かは、基本的には医学的・公衆衛生学的な問題であり、メリットとデメリットを秤にかけて、メリットが大きければ接種を奨めるということで何ら問題ないと(ナイーヴに)思っていたからである。

実際、2020〜2021年のコロナ遺伝子ワクチンの現実を見て、私自身が今まで余りにもナイーヴであったということを自覚し、この事態を真剣に重く受け止めさせられたのである。

・・翻って、2022年3月現在のわが日本の状況で考えると、コロナワクチン接種は国家権力による強制という形をとらない、比較的良識的なレベルに留まっており、同調圧力が強くて厳しい職場の中では日本でも苦渋の決断を強いられる場面も多くあったかもしれないが、日本国憲法の基本的人権の議論に立ち至る必要は多くの場合に感じられなかったのではなかろうか。(以前のこのウェブページにて、埼玉県弁護士会の会長さんのコメントを紹介したことがありますので、それらもご参照下さい。)

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補註: 実際に自分の赤ちゃんにどのようなワクチン接種の計画を採用していこうかと考えている両親にとっては、まずは前ページで紹介したような「The Vaccine Book」のようなスタンダードな立場から書かれている「良書」からスタートして考えてみるのが妥当だと思い、こちらを推薦致します。

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