agriculture

草は土に、土は糞尿に、乳牛は草に、人は乳牛に支えられています。

2021年12月12日 日曜日

農文協編 酪農家 三友盛行 農家になろう1 農文協 2012年

牛飼いの仕事は、まず牛になること。・・牛は、乳を人間のためにだすわけじゃない。子牛を産んだ母牛が、子牛を育てるために乳をだす。その乳を分けてもらうのが酪農だ。 だからこそ、牛たちが気持ちよくすごせるように心がける。牛の気持になって草地を歩き、牛に恥ずかしくない牧場にする。まず牛になること。つまりそれが、牛飼いのいちばんの仕事というわけだ。(同書、p3)

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きのうまでおとなしかった牛たちが、ふいにさわぎはじめる日がある。「春が来たから外に出せっていってるのさ。」 冬は牛舎では乾草を与えているが、春になって牧草が育ってくると放牧に切りかえる。牛たちは春の気配を察して、新鮮な牧草が食べたくなったのだ。・・」(同書、p6)

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牛乳の味は季節によってちがう。夏は青草のさらっとした香りがする。冬は乾草のコクを味わえる。(同書、p8)

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・・冬は北海道でいちばんいい季節だと三友さんはいう。 「中国に『三余の恵み』という言葉があるんだ。」 三余というのは「雨」「夜」「冬」のことだ。雨の日は農作業は休み。雨音を聞きながら休息をとる恵みの時間。仕事を終えたあとの夜、そして、春夏と一生懸命に働いて薪や食料が貯蔵できた冬も、恵みの時間。・・以下略・・」(同書、p28)

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乳牛は従順で、忍耐強く、対応能力が高く、牛飼いの未熟さや失敗を補ってくれ、そのやさしい瞳で励ましてくれます。草は土に、土は糞尿に、乳牛は草に、人は乳牛に支えられています。この「循環の輪」の中に参加できるのが酪農家です。(同書、p35)

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